日本小品盆栽協会 11月の例会を斬る!
さてさて、先日の日本小品盆栽協会東京支部の例会の様子です。
支部長の基礎コーナーは冬越し対策でした。が、一番盛り上がりを見せたのが石灰硫黄合剤についてでしたね。残った薬をどう処理するか、という話から石灰硫黄合剤を使うべきかどうかという話にまで広がりました。
おもしろかったのは、名人が2人共石灰硫黄合剤を使っていなかったというところでした。
名人A藤さんは、樹のためにあまりよろしくない、と。カイガラムシも掻き取るのが一番とか。T屋名人は「臭いし、あんまりいいことないから」使わないとのこと。
まあ、名人は常識を鵜呑みにしない、という感じでまとめさせていただきますか笑。
私は去年から石灰硫黄合剤デビューですが、アパート暮らしでいろいろまわりに気を使いますし、金属をダメにするとか汚れるとかいろいろ面倒なので、たしかにうどんこ病は少なくなりはしましたが、もう今年はやりたくない気分でした。なので、名人がやらないというのならやめちゃいますよ笑。別の殺菌殺虫剤はかけておきますが。
殺菌殺虫の薬も、T屋さんのやり方を参考にして、今までわざわざ何百倍に薄めて使う殺菌剤、殺虫剤みたいなものだけを用意して使っていましたが、これだとちょこっとだけ一部の樹だけに使いたいという時についつい億劫になってしまうし、余った薬の処理もまた面倒なので、最近殺虫と殺菌両方ができるハンドスプレータイプの希釈なしの薬を置くようにしました。
さて、T屋さんの教室は松柏類の今の時期の手入れのポイントでした。
まずは苔取りからです。土や根元についた苔を取ってきれいにしていました。虫が隠れたり、また根まわりに光が当たらなくなると根張りが良くならないし、蒸れてしまう、とのこと。でも、年明けとかに展示で使うものは良い苔の先端を土に挿しておくんですって。苔の挿し木ですね。そうすると苔の位置も下がるし、根まわりにも日が当たると。そして良い苔は大きな鉢の隅ででも培養しておく、と。なるほどねぇ。
ただ教室は、もっと基本的な、良い苔、悪い苔の違いの話で妙に盛り上がってました。そういうのって本ではなかなかわからないですからね。
ヒゴケ、ビロードゴケ、スギゴケ、銀ゴケ....ゼニゴケ、ションベンゴケ....いろいろな苔の名前が飛び交いました笑。基本的に湿った日陰の苔は「樹がもたれちゃう」から良くないみたいですね。
さて、その後は黒松の葉すかしを実演していただきました。
「1、2、3、4、5...ここは5本残して...」と、先生が3~5葉残しで葉の数を調整しているところに、私の慈愛のまなざしが注がれます。
教材になったこの黒松。先生としてはあまり好きじゃない樹なんだとか。そういえば、T屋さんの樹でここまでウネウネしたものはあまり見ないかも。では、私が引き取りましょうか?
今回の教材には、T屋さんにしては大きめの古い五葉松もありました。日本小品盆栽協会の名品展が今年で40回目を迎えますが、それ以前に実生苗を買って来たものなので、もう40年以上経っているそうです。この樹は以前から、性が良いからあげると約束をしていたということで、会員のT田さんのもとへ行きました。イマイチ大人の感覚がわかりません。
この五葉は葉も短く立ち性で、古枝挿しが8割の確率で成功するとか。性の良いものだそうです。
肌がキモチ悪ーい。40年経っているとはいえ、ここまで肌が荒れるのも性なんだとか。昔、T屋さんが若かりし頃、性がイマイチな樹を先生に、
「こんなモノはダメ!」
とポイっとされそうになったとか。当時は
「先生、ちょっと待ってくださいよ~」
と言ったそうですが、今考えると、それでなきゃ駄目だとわかるそうです。いくら腕が良い先生でも性にはかなわないと。
「五葉松というのは性で見るんですよ」と。
へぇ~。
でも一方で、
「自分の手入れ次第では樹も馬鹿になっちゃうし、良くやると良いものがが出来る」
とも言います。
こんな感じでジンを作っていました。
古いジンは、もう肌と一体化していました。
この五葉松は接ぎ木後の処理を見せていただきましたが、
「あまり性が良くねぇんだよね」とのこと。痩せているからまだ古葉は取っていないそうです。
鉢は古そうですが、安物みたいですね。作りが素人です。まあ、昔の趣味家が暇つぶしにでも作ったものでしょう。
落款も冴えてないですね。
「ヒガシフクデラ」ですって。宮崎県知事みたいな名前ですよ。
それはそうと、こんな駄鉢のことは置いておいて、きれいな鉢底ですね。見習わないといけません。
このあと教室は、杉、杜松...と続いていきましたが、今回からICレコーダで録音していたので、メモをとる手間がないぶん見ることに集中できましたし、家で聞き返すとその時の場景が頭に浮かんできて、もう2~3回聞き返していますが、楽しいですねぇ。聞き逃していたこともけっこうありました。
ただし、
「だからぁ、そこに立たれちゃあたしが見えないの!」
などと私が怒られる場面も聞き返さなくてはならないので、ちょっと苦笑します。幸いなことに、私のとっさの樹の持ち方を、
「樹に対して愛情が足りない!」
と注意された場面はレコーダから離れていたので記録されていませんでした。はぁ...すみませんでした。
良い性の木を見つけるのは大変なのですね。
東福寺に入った五葉が性の悪いものなのですか。
明星みたいで良いと思ったのですが・・・
それにしても例会に行きたかったですね。
いろいろな方がいらっしゃったみたいで。
by otama (2010-11-26 22:29)
性に関しては...見た目が良くて作りやすい性質のことなんでしょうけど、
otamaさんが良いと思うのならそれが良い性ということでいいのではないでしょうかね。
と、こういうことを言っているから私も目が肥えていかないんですね笑。
ついついすべてを自分の好き嫌いの感覚で判断してしまいます。
ただ、この日の五葉で一番葉性の良いと言われていたものは、
つややかな濃い緑のピーンとまっすぐ葉で短くそろっていて、
確かに良いものでした。
ところでotamaさん、鉢作り頑張っていますね。
写真を見ると焼き上がりが灰色にみえますが、
実際は黒っぽいのですか?
今度実物を見せて下さいね。
by まこと (2010-11-27 21:30)
楽しい日記(記事)ですね。
T屋さん(笑)
更新を楽しみにしております。
by 個人会員 Z (2010-12-23 08:38)
個人会員 Z さんへ
どうも、はじめまして。
個人会員...日本小品のですか?これはこれは、今後ともよろしくお願いいたします。
浅い内容ではありますが、応援を力にして、不定期ながら更新がんばらせていただきます。
by まこと (2010-12-24 00:24)