日本小品盆栽協会の交換会と、花。
なんと、昨日は日本小品盆栽協会の交換会でした。
老いも若きも獣の目つきで、皆、思い思いの品に声を発していました。
ある方はビブラートで、ある方はファルセットで、ある方はウィスパーで。
こういった場所ではそれぞれの個性、趣向がよく出ますので、物の買い方、品の選び方、なにかと勉強になります。
自分では手に入れられないような高価なものだって、自分のサイズでないものだって、良いものをしっかり見て、目の肥えた方がどういったところを見ているか、何がどういうわけで高いのか、そういったことを自分の記憶に残しておくことができるという場でもあったりするのです。
なにげに私、思い返せば交換会でいろいろなことを知って来ているような気がしています。
荷を見て、人を見て、とにかく刺激にこと足りない。
新入りにとっては、交換会というのは買い物の場というだけでなく、もっといろいろな意味のある空間なのかなと。
お金が動く分、気を使わなくてはならないところも当然ありますけれど。
さてさて、今回初顔出しの方も若干名いらっしゃり、会場内はいつもに増して賑やかでした。
初めて値をシャウトする際はなんだか緊張しますね。
今回私は、もううちには樹の置き場が十分になく、その上で自制心をなくして樹をごちゃごちゃと買ってしまわないように、前日に行きつけの服屋さんで、ちょっとお高い高級ホットパンツを買って、購買意欲を減らしておきました。
その結果、立ち上がりに良い曲のある超細幹のモミジを1本買って終わりました。
細幹は良いね。
だって場所をとらないんですもの。
ふふふ笑。
そのモミジはまたいずれ。
最近うちの棚ではコデマリが咲いています。
ヒョロ長なので、高さは9センチほどになっています。
これでこの樹の今年の出番はおしまいでしょう。
よくがんばりました。
もうひとつ、去年水切れさせて丸裸同然までいったイタリアーノも、ぐんぐんと芽を吹き、誇らしげに咲き乱れています。
もうちょっと寄ってみよう。
あ、寄り過ぎて危うく頬擦りしてしまうところでした。
で、どこどこ?
ここですよ。
天使の涙の花は、世界で一番小さな花なんだとか。
本当かどうか知りませんが、まあとにかく小さくて、パッと見ではわかりません。
ようようこんもりしてきたので、これから流れを作っていきます。
陽に当てて、水さえ切らさなければ丈夫ですが、一度水切れをさせてしまうと葉が黒くなって、その後の処理が大変です。
そんなわけで、チャオ!
(少年は中学生になったので、99年早い)
所沢から青梅へ
花樹会の展示会でお会いしたヤスちゃんさんの悪魔の誘惑、いえいえ、ありがたいお誘いに甘えましてしずかさんと共に、志水さん文人木さん他、盆栽のことばかり考えている変わった方々に同行させていただき、展示会場を後にした後、盆栽屋さんをまわりました。
車の外、景色はどんどん山の中。
青梅の空気はひんやりと寒かったです。
青つづらふじは、早速ビニールポットから黄瀬戸マットの青梅鉢(渋好み)に植え替え。
迷った枝を切ることができずに残してしまいました。
あと、根のあたりから出ていた枝は根のように下げて、土へ根と一緒に埋めてしまいました笑。
「お前は根だ」と毎日言い聞かせれば、あれ?そうだっけ?という感じで根になってくれるでしょう。
でも・・・このあほづらふじを買おうと店主さんのところへ持って行くと、オスだかメスだか確認していないとのこと。
それを承知で譲っていただきました。
どうなることやら。
こちらは花樹会さんのところで買った小葉のいぼた~ん。
1年待つのは嫌。
これも青梅鉢(渋好み)に植え替えてしまいました。
活動が始まっているので、しばらくは大事に扱ってあげましょう。
針金で下へ引っ張ってみましたが・・・良くなったのか、悪くなったのかは謎です。
うんうん、2本共、樹と鉢合わせて1000円いくかいかないかの値段でこれだけの盆栽を作ってしまうなんて、相変わらず溢れてるね、私の才能。
灯の消えた街角で、速い車にのっけられても、急にスピンかけられても恐くなかった(飾りじゃないのよ涙は)けれど、やはりこの溢れんばかりの才能だけは怖いです。
でも、泣いたりするのは違うと感じています。
花樹会の展示会
この前の週末、しずかさんと道に落ちている豆を食べ進んでいくと、なんと所沢の花樹会の展示会へ着きました。
こちらは初めて伺うところです。
会場には開場時間の前に着いたのですが、もう中ではお客さんが即売コーナーを欲深い目つきであさっていて驚きました。
人間とはこれほどまでに欲深くなれるものかと、軽くカルチャーショックでした。
会の方は、これまでもお付き合いさせていただいている方、顔は知っていたけれどもお話したことのなかった方などもいらっしゃり、改めてご挨拶。
会場には次々とお馴染みの顔も到着し、そろったところで合体、変身。
一体の巨大な盆栽愛好家になりました。
こちら、会長の席の丸葉うつぎ、雰囲気があって素敵でした。
遠いと思っていた会場も、行ってみれば案外すぐでした。
途中、狭山の地名を見て思い出しました。
以前、狭山公園に遊びに行ったことがあります。
湖のまわりに樹がたくさんで、私、結構楽しかったのです。
狭山公園逍遥記→http://itsuka-bonsai.blog.so-net.ne.jp/2009-05-06
(何故だか最近、文字にリンクを付けることができません)
樹を見ながらたくさん歩きましたっけ。
もう3年も経つのですね。
それと同時に、このブログを始めたのも2009年の3月ですので、3年の月日が経ったということです。
3年の月日がすっかり私を盆栽名人にしてくれました。
今では樹に手をかざすだけで、樹液の流れを見るように感れます。
ところで、今日うちにエレキ窯が届きました。
ガスや灯油は無理無理。
単3電池6個で到達する1250度!
小さなエレキで精一杯です。
エレキと七輪で、他の追随を許さぬ新境地を切り開いてしまうのです。
ぶれいく おん するー とぅーじ あざーさいど、いぇい。
スポーツ刈りの五葉松
先日家に帰ると、実生五葉松をまとめてあるカゴが地面に落ちて、土が飛び散っていました。
その置き場はうちの中でも一番日当たりと風通しが良い場所なのですが、最近棚の板が痛んできていて不安定になっていたのです。
今度修理しないと。
せっかくなのでポットから飛び出してしまった五葉松をいくつか小さな鉢に入れて楽しんでみました。
ちょっと土が溢れてますね笑。
丁度、小さ過ぎて使い道がなかった自作の焼き締めがあったので使ってみました。
根はほとんど切らずに、折りたたんでしまっています。
あと、初めて買った極小さな素焼鉢も使ってみました。
こんな小さな鉢をこのまま日なたに戻したら、すぐにセピア色の思い出になってしまいそうですので、しばらくはミズゴケを敷いた大きな鉢の中に入れて二重鉢にしておこうと思います。
ところで、これらのうちの五葉、2,3年前くらいにまいた四国五葉なのですが、去年相当辛い思いをさせたか、その多くが、一番上の写真の五葉松もそうなのですが、ものすごく葉が短くなってしまったのです。
長い葉が一昨年の葉。
短いのが去年の葉。
ペットボトルのふたと比べるとその短さがわかりやすいです。
何故こんなになったのでしょう。
松の葉が短くなるのは見た目にも良いのですが、自分の中で、大切に扱ってこなかったという気持ちがあり、それゆえ、なんだかその葉の短さが逆に自分を不安にさせるのです。
発育不良じゃないかしらと、そんな風に思ったり。
ただ、根を見る限りでは、極端に良くも悪くもないボチボチで健康そうな根。
肥料はちょこっとだけ。
五葉松って、わからない子ね。
意図的にこんな葉を短くできたらいいのですが。
今年の葉はどうなるのでしょうか。
あと10年くらい見守ってみましょう。
とりあえずキメゼリフを。
五葉松、万歳!!
ハサミで作る
針金を使って樹を作るのも楽しいのですが、やはり基本のハサミ作りというのをしっかり身に付けたいのです。
そんな思いがあり、もちろん使いはするのですが、闇雲には針金を使わないようになりました。
先日ちょっと気になったので、サルスベリの挿し木苗をビニールポットから植え替えてみましたよ。
気が付いたらハサミで良い幹が出来ていました。
根は惜しかったけど笑。
うん、サルスベリはハサミの曲が似合いますね。
うちで挿し木増殖しているウグイスカグラなども、すべてハサミで作ってみています。
しかしこの樹・・・手に取る度にどうしようかと考え込んでしまいます。
3月の姿。
4月の姿。
根張りも良く、作っているうちに立ち木のようにまとまりつつありますが、ウグイスカグラの灌木感が全くないですね。
これからどうしましょう。
しかしながら、どうせ花も咲かないし、しばらくはこのモヤモヤ感を引きずりつつ、ゆっくりと考えてみましょう。
あ~、モヤモヤ。
日本小品盆栽協会東京支部 4月の例会は億千万
先週日曜日、8日は東京支部の4月の例会でした。
すっかり春の陽気でしたが、昼の暖かさにつられて薄着で行くと、日没後に寒い思いをしてしまいますので、若草色の春用ホットパンツの上にゴージャスな毛皮のロングコートを羽織って行きました。
いつもの窓際の風景の一部。
さてさて、今月は基礎コーナーで『クチナシ・かずら類の植え替え』、ちょっとハイレベルになる教室では『「飾・卓・地板」の揃え方、使い方』というテーマでした。
基礎コーナーは盆栽入門したばかりの新人にもわかりやすいように、ティリメンキャドゥーラやクティナシの植え替え作業を目の前でI東支部長から見せていただきました。
私もこの会に入って初めて人が植え替える様子を見せていただき、ベテランさんのその手さばきに興奮したものです。
そして、自分の植え替えにとても参考になりました。
ここで学ぶ前と後では、植え替えの作業もいろいろなポイントで変わりました。
テーマにあるティリメンキャドゥーラは、去年あたりからうちでだいぶ増えた樹種のひとつかも知れません。
盆栽を始めてすぐの頃、照り葉の緑と赤がきれいで安い素材を買ったので、樹種としては私なりに付き合いの長いものになるわけですが、よくわからずにとりあえず育てていた感のある樹種でもありますので、これからの自分自身の伸びに期待しないと悲しい気持ちになってしまいます。
今年はがんばりましょう。
クティナシは、今の私のサイズを考えた時、どう楽しめば良いのか決めかねている樹種、と言えるようです。
今の私のサイズでクティナシをどう作るか。
樹姿をとるか、花実をとるか、これから遊びながらぼんやりと考えていこうと思います。
クティナシ名人のA藤さんに譲っていただいた、花実の大変付きやすいクティナシもせっかくありますから、少しくらいは実成りもたのしみたいなぁ。
おしまいに、支部長からはタンキリ豆や丁字かずらの挿し穂をいただき、小躍りする私なのでした。
そしてT屋講師の教室。
今回の教室、先ずは今までの飾りの講義よりさらに一歩進んだ内容の形で、歴史をさかのぼって盆栽展示のルーツを教わったわけですが、知らない言葉もたくさん出て来て毎度のことながら頭から煙が出てきました。
そしてそれは私だけではなかったようで、教室の中がモクモクとした煙が充満していまして、危うく火災報知機が鳴るところでした。
私がその内容をまとめるには、これから何度も講義の録音を聞き返し、わからないことを自分で調べなくてはならないようです。
時間はかかりそうですが、少しでも理解を進めるために時間をかけて取り組んでいこうと思います。
また、今後もこの辺の内容について教室でとり上げていただけるようなニュアンスの言葉がありましたので、繰り返しいろいろな角度からの説明を受けさせていただければ、またわかってくるところも出てくるはずです。
才能は溢れんばかりの私ですが、教養は溢れてくれていませんので、書院造と聞いても何が何やらですが、盆栽少年君が中学に入学したように、私も中学へ入った気持ちでこれからがんばりましょう。
古い歴史を我が身を縛りつける鎖と鉄球と感じるか、新しい解釈と発想を生み出すエッセンスと感じるか、それは人それぞれありましょうが、例えば私が中高生の頃、好きになったバンドがどんな音楽を聞いていたか遡り、さらにそのルーツを探って・・・などとやっていたら、ノイズだらけだけど素晴らしい昔の音源にたどり着いた、というような興奮を経験していますので、そんな感じで、この飾りの歴史については好奇心先導で知っていきたいところです。
それにしても、講師が持って来た道具の見本の数々、素敵でした。
窓際には、今回の講義の内容の見本にと、毛氈(もうせん。やっとこの名前を覚えました)を敷いて、後ろには衝立というトラディショナル・スタイルの飾り。
つまり、コンサバ系ね。
昔、土を使った盆栽は家の中には飾れなく、縁側で飾られていたのだとか。
講師もおっしゃっていましたが、昔は盆栽という言葉はなく植木と言われていたそうで、私も古い雑誌で盆栽という言葉が書籍でいつの時代から使われ始めたか調べている記事を読んだ記憶がありますが、昔は植木とか鉢植えみたいな言葉ばかりで、盆栽という言葉はごく最近使われるようになった言葉のようです。
盆栽が床の間に飾られるようになったのも明治に入って盆栽が盛んになってから。
それも盆栽だけではなく、花器、文房具、楽器など、いろいろと高価なものを飾っていたようで。
それを表すために、この講師の飾り見本には左から2番目に玉で作られた白い花瓶(カヘイと呼んでいましたよ)が置かれています。
その当時の飾りというのが、毛氈を敷いて、花台を置いて、お道具や水石を飾り、壁際には屏風を置いたスタイルなんだそうです。
中野清香会のあのスタイルですね。
このモミジ、鼻くそみたいな大きさのくせに、しっかり左に間をとって植わっていますね・・・
この写真なら、どれだけ鼻くそみたいな大きさかわかりやすいですね。
そう、こうやって鼻くそみたいだと大きな盆栽をやっている方から盆栽の小ささを馬鹿にされる時のために笑?、講師はよく初代国風盆栽会会長の松平頼寿伯爵の盆栽のお話をします。
その方は、樹もご自身で作っていたのだとか。
私も、その方が旅行先で採って来た樹を大事に育てていたというエピソードを何かで読んだ記憶があります。
大物、中品が主だった当時の盆栽界に、小品の魅力を広めたこの方は、小品盆栽で遊ぶ私達の大先輩、ということでしょうか。
ちょこっとだけ写真を載せますが、問題ありましたらすぐに削除いたします。
そんなこんなで億千万の4月の例会でした。
織姫モミジと実生イチョウあたりを、淡々と。
この前の日曜日に日本小品盆栽協会東京支部の例会がありましたが、その記事はもう少し時間がある時にでも書こうかと思います。
週末には時間がとれるでしょうか。
植え替えの中休みをとって、今月に入って鉢作りも少しずつ始めています。
しかし例会の日曜あたりから頭がボーっとしたり、ちょっと体調がイマイチ。
昨日あたりから口内炎ができたようで。
これは体調が崩れる前兆。
栄養をしっかりとっておきましょう。
さてさて、以前載せた織姫モミジの葉がもうすっかり開いて、とても良い感じ。
樹はまだまだなのですが、葉が開いてくれたおかげで盆栽っぽく見えるようになりました。
織姫は葉が小さく、葉形もすっきりしていて良いですね。
大きな傷が口惜しゅうて仕方ないですが、治るまで我慢です。
一番下の枝には葉がまだありませんが、芽当たりがあるのです。
この芽を使ってちょっと面白くできたらなぁ、と思っています。
もうひとつ、実生イチョウでも。
まだ3年目くらいでしょうか。
期待を込めて今年、木黄さんの鉢に。
この鉢の大きさで、とりあえずあと10年持ち込んで見ようかと思います・・・無理かな笑?
紅千鳥モミジの芽吹きは美しい
去年の交換会で、初めて紅千鳥モミジを手に入れました。
新芽が美しいと噂では聞いていて、気になる木のひとつでした。
手に入れた時はもう葉が落ちていた時でしたので、その葉を見るのは今春が初。
4月初めの姿。
そして今の姿。
なんと美しい葉でしょう。
噂通り、とにかくきれいな色の新芽でした。
葉の形もキュート。
夜に棚を見渡すと、この葉の色が夜の闇に浮いて見えるのです。
紅千鳥は昔ブームになって、その際に類似種もたくさん出回ったそうで、その見分け方のひとつに葉の切れ込みの数というのがあるのですって。
紅千鳥は葉が5つに切れ込んでいるようです。
さて、この小さな素材、挿し木後の発根が1本だけで、その1本の根が太りました、的な雰囲気で根細になってます。
手に入れた時は、そこは土に埋まってたのですけど。
その点が残念な木ですね。
口惜しゅうて仕方ないですけれど、きれいな葉が見れたからいっか。
しっかり根が張っていたら、最高だったのにね。
ああ、それにしても、口惜しゅうて仕方ない。
またどこかで出会ったら、紅千鳥モミジ、手に入れておきたいです。
日本小品盆栽協会東京支部 4月の例会のご案内
4月8日(第2日曜日)、日本小品盆栽協会東京支部の4月の例会があります。
★午後1時半より
「基礎コーナー」
テーマ: 「クチナシ・かずら類の植え替え」
講師: I東支部長
★午後3時より
「教室」
テーマ: 「『飾・卓・地板』の揃え方・使い方」
講師: T屋氏
会費: 500円
会場:杉並区立永福和泉地域区民センター3階、第5集会室(井の頭線・永福町駅下車、徒歩5分程)
井の頭線永福町駅改札を出るとすぐ頭上に、看板がありますね。
目指すは永福和泉地域区民センターです。そのまま直進ですよ。
最近新しくなった駅舎。そのまま行くと、左に折れます。
左に折れると右手にすぐエスカレータと階段があります。
ここを降ります。どちらを使うかは自由ですよ。
さあ、駅を出ました。
目印は「ボンシューズ」。このお店がやっているのを先日初めて見ました。
このお店に向かって左を走っているのが「井の頭通り」です。
ここを反対、「大勝軒」側に渡ります。信号は守りましょう。
大勝軒側に渡って右を向きます。
三菱東京UFO銀行の看板が見えますか?見えたらそのまま怖がらずに前進します。
もうすぐですよ。
少し歩けば酒屋の三浦屋さんがありますね。おっと、前を歩いているのは東京支部のS崎さん。
「こんにちは~」
さて、この三浦屋さんの角を左に入っていきます。案内の看板もありますよ。
ここまで来ればもう安心。曲がってすぐ右手に見えてくる建物が永福和泉地域区民センターです。
正面入り口はこちら。
中に予定表がありますので、会場を確認してみましょう。
会員でない方の見学も歓迎しております。
興味のある方、初心者の方、ご参加をお待ちしておりますので、お気軽にどうぞ。
5月の例会は、5月13日(第2日曜日)です。
第59回 清香会小品盆栽展は眠らない
第59回清香会小品盆栽展に行ってきました。
あいにくの悪天候でしたが、あちこちからのお客さんがいらしていたようで、会場内はホットににぎわっていました。
いつも思いますが、このお座敷という環境が、例えば会の方から何か展示についてお話をお伺いする際にも、腰を下ろした安定感のある姿勢で、間近の展示品を介して伺えるため、とても良いのです。
以前教わりましたが、盆栽の展示、陳列というのは、床の間にいろいろなお道具を飾るところから来ていて、その流れから、お座敷で見るのが本来の姿なんですってね。
下には青い絨毯みたいなもの(なんと言う名前かまた忘れてしまった・・・)を敷いて、そして後ろの何とか屏風(こちらも名前を忘れてしまった・・・)、これが良いですね。
展示がシャキッとキラキラして見えて、その世界に引き込まれます。
きっと視界を狭め、物を際立たせる効果があるのではないかしら。
この会の方の展示は、樹はもちろん素晴らしいのですが、面白い添配などを使った遊びや景色作りにも特徴があるようで、これもひとつのこの地方の伝統のようです。
入口の席では飾りと共にご挨拶。
一番高い所に、雲海の上に突き出た山の頂・・・素敵です。
麓には民家が並び、町には人力車のご婦人。
会場に、盗人がいたようです。
盗まれたのは、樹でも鉢でもなし。
この席が皆さんの心を奪ったようです(←ルパン三世風)。
私は時代のスピード感についていけていない感があり、もう会場を訪れた皆さんがいろいろとご紹介していますので、展示の様子はそちらのほうをご覧いただくとして、私はちょっとつまらないことを記事にします。
私、小品盆栽をやっていて、盆栽以外のことでも多くの知らないことに出会うのです。
例えば、この道祖神。
よく展示で見かけるこの仲良しカップル、一体何なんだろうと思っていました。
今回それを知るまでは、ただの仲良しさんかと思っていましたよ。
表記には「道祖神」と。
しかしながら私、道祖神とお地蔵様がごっちゃになってまして、道祖神と言われても、何故カップル?と、頭の上に???が浮かんで止みません。
なので今回、この道祖神というものについて調べてみました。
そうしたら、これは神様のカップル、というか夫婦で、昔は村の外れに結界の守護神としてあって、悪い霊がそこを通って村へ入ろうとすると、二人の愛を邪魔するな!とばかりに霊を突き飛ばしてくれるという信仰のようで、日本のあちこちにあるようです。
ネット上で写真を見ると、どれもかなりの仲良し夫婦。
なるほどなるほど、うん、なるほど、そういうことだったのですね。
ということは、この道祖神が展示にあれば、村の外れや、また、ちょっと寂しい景色などを思い浮かべてイメージする、ということで良いのでしょうか。
さらに自分の無知さ加減を知った六体のお地蔵さん。
展示者のSさんに六地蔵だと教わりはしたものの、それがどういうものなのかわからんのです。
何故6体?
それはどういうもの?
なのでこれもこっそり調べておきました。
六地蔵というのは、仏教には、全ての生命は6種の世界(地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人道、天道)に生まれ変わりを繰り返すという六道輪廻という思想があり、その6種の世界のそれぞれを6種の地蔵菩薩が救うという説から生まれたもので、主に他界への旅立ちの場である葬儀場や墓地に多く建てられたそうですが、先の道祖神信仰と結びつき、町や村のはずれにて、結界の守護神として建てられることも多かった、とのこと。
ちなみにお地蔵さんはサンスクリットでクシティ・ガルバ。
クシティは大地。
ガルバは胎内、子宮。
その名はこれを意訳したもので、大地が全ての命を育む力を蔵するように、苦悩の人々をその無限の大慈悲の心で包み込み、救ってくださるんですって。
私もあなたも包まれているのです。
ああ、ありがたや、ありがたや。
A藤会長のこの桜の樹は何とかという(あぁ、名前が覚えられないものばかり・・・)伝統工芸なのだそうですよ。
羅漢さん、花見の姿 with 真柏。
ところで、羅漢さんて?
ふぅ~、また調べないと。
小品盆栽を園芸という面だけでなく、展示を含めて勉強していくと、本当にいろいろな別の分野とつながっていて、とにかく自分が言葉は知っていてもその実体を理解していないもの、あるいはその言葉すら知らないものとたくさん出会います。
ただ樹や鉢を作れるようになるだけでは半人前のパンダですね。
せっかくこういう世界で楽しんでいるのですから、少しずつでも知っていきたいです。
そうしたらもっと楽しめる場面が増えそう。
清香会の展示会は、いつも勉強になります。
今回も私の頭から煙が出て、配線が焦げる臭いがしっ放しでした。
これが癖になります。
会場にてお話いただいた皆さん、ありがとうございました。
そして若さ溢れる盆栽好き集団ご一行は、雨にも風にも負けずに、次なる豆の巡礼地、一木一草話へはしごするのでした。