削りおさめ
昨夜、もう我慢できなくなり、ひとつだけ鉢を作り始めてしまいました。
すぐに終わる形をと思って皿鉢にしましたが、ひと月ほど抑圧され続けた私の情熱がそれを許してくれず、手間のかかる模様を帯縁に彫り始める始末で、結局朝の4時までやっても終わらず、朝起きてからまた再開。
うん、手応えありの良い出来です。
模様を彫った後もしっかり磨いたので、ラインが馴染みつつも浮き立ちました。
最初は溝に白土を象嵌しようと考えていたのですが、途中で計画変更。
これで良いでしょう。
帯縁の下側も少し削って、帯に柔らかさを出しました。
気付く人しか気付かない、ちょっとした手間ですけど。
落款は最初彫って書いたのですが、ちょっと試してみたくて、白土を水で溶いたもので筆書きした落款も加えておきました。
縁の下にちょろっと足元の横線が見える斜め上からのこの角度が、一番美しく見えますね。
適度に緩く、でもそれなりの手間を掛け、うん、よくできました。
年末、削りおさめなので、大サービスで自分を褒めておきます笑。
今年も盆栽、鉢作り、等々、また遊び呆けてしまいました。
挙句の果てに、支部展の売店や一木一草話で自分の鉢を販売するなんてあくどい所業も。
でも、そのために機材やら材料やら、いろいろお金に羽根が生えて飛んで行ってしまったので、遊ぶ金欲しさの犯行として、続けられる限りは細々とでも続けていかなくてはならぬと思っています。
盆栽のほうは・・・上達しているのかどうなのかよくわかりませんが、東京支部に入会して3年が経ち、そしてちょうど最近、2、3年前に作り始めたような樹に良くなってきているものが多いということを考えると、やっぱり東京支部の先輩や、その他お付き合いさせていただいている方々にいろいろ教えていただいた、その結果なのだと思います。
今年の目標だった、小さな鉢で花実をたのしむ、という点に関してはあまり成果が得られなかったので、引き続き来年も挑戦です。
それでは皆様、よい年をお迎えくださいませ。
チャオ!
レンギョウ・・・咲くの?
正確にはもう忘れてしまいましたが、2、3年前に新梢の棒を挿したレンギョウ。
ん?
ふたつだけ紫色の大きな芽がついています。
秋までは緑色でした。
もしかして、初の花芽?咲いちゃうの?咲かずにはいられないの?
ハサミでもう一曲作って、その先に1、2本くらいは枝を作って、あとはひたすら持ち込みたいところ。
まだ樹ができていませんが、どうしても咲きたいというのなら、止めないよ。
この樹は、真っ直ぐなのを挿して、そのまましばらく伸ばしてしっかりさせて、下の方に出た芽で立て替えて作ったもの。
今年の秋にこの小鉢に植え替えました。
一曲作るのに1年かかりましたが、針金で曲げるよりも鋭い曲が付きました。
ハサミの傷は放置していましたが、すぐに治りそうです。
まだ私はレンギョウを咲かせたことがないので、ちょっと期待しています。
え?!
もう白根が伸びてるの?
マコミ
清香会の交換会で、確か2年程前にうちへ来たマユミである。
文人木さんのと兄弟木。
2011年2月24日の姿。
おそらく素焼の東福寺から一蒼さんの鉢に植え替えた際の写真でしょう。
こちらは今の姿。
う~ん、良くなっている、と信じるしかないです。
ちょっと右から。
後ろから。
腰のあたりに不要な芽を見付けたので取ってしまいました。
最後に上から。
写真では奥行きがでないのでわかりにくいですが、立ち上がりが後、前、横、と変化して奥行きを感じれるようになったと思います。
あとは枝でしょうか?
一体いつまで待てばいいのさ。
もういい加減待ちくたびれたよ・・・
どんな名人も、性にはかなわない
しずかさんから伊吹ジャコウソウを分けていただき、1年程小鉢で持ち込んでみました。
そのせいか随分と葉が小さくなり、おまけに私の剪定マジックで自然な流れも生まれ、主に山の日当たりの良い岩場などに這うように育つというこの草の雰囲気を小鉢の中に見事に表現しきっているかと思います・・・コホン。
しかし先日、小葉性のジャコウソウを見付けたと、再びしずかさんに分けてもらいました。
むむっ!
確かに葉っぱが小さい・・・
一緒に並べて比べてみる。
一体誰に問えば良いのか。
私のこの1年間の持ち込みは何だったのか、と。
盆栽の神様は時に残酷な仕打ちをなさる・・・
しかし、しかし全ては神の御心のままに。
・・・・・・。
どんな名人も、性にはかなわない。
以前講師がそんなことをおっしゃっていました。
確かに、私程の名人が小鉢で何年も持ち込んだとしても、ここまでは葉も小さくならないでしょう。
でもでも、葉の大きさだけで良し悪しを決めてしまうのも乱暴ですので、普通のは普通ので、もうしばらく小鉢で持ち込んでみましょう。
私が性に勝った時・・・
それは、私が盆栽名人から盆栽超人へと進化した時です。
私には樹液の流れる音が聞こえるでしょう。
初杜松、2年間の歩み
私が杜松を始めたのはまだ2年前くらい。
元々松柏には関心が薄く、むしろ雑木のほうが好きだったのですが、東京支部でいろいろ教わっているうちに興味が湧いてきました。
私の初杜松。
大野さんのところで買ったのですが、その時は、
「う~ん、良いところは古いってことだけかなぁ~」
なんて言ってましたっけ。
立ち上がりに強い曲があって下がってから、にゅい~んと弧を描いた間の抜けた曲がりで再び上へ。
そして2年の月日が経ちました。
その間私にもいろいろありました。
振ったり振られたり、捨てたり捨てられたり。
それでも強く生きてきました。
で、今のこの初杜松の姿は・・・
先が見えない姿だったので、上の方を取り木して(→失敗)、一番下の枝で作り直してみたのです。
思えば腕もないのに生意気なことをしました。
裏側にはその時の跡が無骨なジンとして残っています。
こうするべきだったのかどうかはわかりませんが、こうしてしまったのですからどうにかするしかないでしょう。
来年からは立ち上がった幹の部分に変化をつけていこうかと考えています。
もっとも、枯らさなければの話ですが・・・
寒い・・・
12月に走るのは、なにもお師匠さんだけではなく、私のような盆栽名人も走るのです。
それにしても今日の寒さはきついですね。
夜に帰宅すると、放置してあった鉢がいくつか凍っていました。
明日はさらに寒くなるんだとか。
さすがにつらいので、明日はホットパンツの下に毛糸のパンツ(赤)をはいて行こうと思います。
こんな東京砂漠でも、溜めてある水が毎朝のように凍っていますので、今年の冬はなかなか厳しいようです。
ニュースで読みましたが、ロシアにものすごい寒波が来ていて、-50℃を記録したとか・・・もうそこまでいくと訳がわからない厳しさです。
想像ができません。
さあ、今年もあと少し。
私は今月に入ってから少しずつ、家の中を大改造しています。
来年からはもう少し快適に鉢作りを進めたいので、そのために。
ま、どうせすぐ散らかしてしまうんですけどね・・・
来年もっと頑張れるように、だから今は鉢作りもちょっとお休み中。
冬の間は潅水の手間も省けるので、年が明けたら鉢作りに精を出そうと思います。
そんなわけで、写真も内容もない更新、あなたのハートには何が残りましたか?
思い出のムラサキシキブ
今朝、初めて外にためてある水が凍りました。
そろそろ盆栽の冬支度を始めないと。
私がまだ東京支部に入会する前、見学で例会などに参加している頃、秋の親睦会にもついて行き、世田谷のやまあいさんで買って来た思い出のムラサキシキブに、今年初めて実が付きました。
今になってみるとサイズが少し大きいのですね。
枝枯れさせてしまったり、ちゃんと手入れができていませんが、気が付けば幹もすっかり大人びてきていました。
実は私、展示会の樹を見て初めて深く感動した樹って、ムラサキシキブだったのですよね。
これこれ。
大きな盆栽です。
まだ東京支部に入る前、一人で展示会まわりをしてた頃でしたが、うわぁ・・・って、その場で足が止まってしまいました。
この姿を見る限り、私は基本的に元々、かっちり作られていない細幹が好きなようですね笑。
来年からは、ムラサキシキブももう少しがんばります。
I am ウグイスカグラー
みんな大好きウグイスカグラ。
統計によると、日本人の7割方はウグイスカグラが大好きなんだそうです。
沢山挿して、この樹の最初の姿がどんなだったか忘れてしまいましたが、恐らく棒からだと思います。
今年の夏の終わり頃、下から3番目の枝の枝先が2カ所程枯れてしまったようで、冬芽が出てきません。
元まで枯れていなければどこか途中からまた芽吹いて来てくれるのかと思いますが、いかがなものざましょう。
とりあえず春までそのままにしてみます。
枝が細かく分かれてくれるのは嬉しいのですが、調子に乗っていると枝枯れさせて痛い目をみるようです。
自分で棒から作った樹にしては、ちょっと胸が出っ張り気味という欠点はあるにしても、ぼちぼちまとまっていて、よくがんばったと思えるのですが、やっぱり樹形として灌木感に欠けるというところでいつも何かひっかかって、口がへの字になってしまいます。
以前母方の実家の近くの雑木林を歩いていたら、ケヤキの下、落ち葉だらけの地面にウグイスカグラが生えていました。
(↑その雑木林)
その時はその名前も知りませんでしたが、ちょうど細い枝にかわいい花をまばらに咲かせていて、とても印象的でした。
確かその樹の枝を数本持ち帰って挿したはずですが、今残っているのか、残っているのだとしたらどの鉢のウグイスカグラか・・・自慢じゃありませんが、今となってはまったくわかりません笑。
雑木の下に人知れずひっそりと生えているかのような、そんな姿のウグイスカグラを、いつかは作れたらなぁと思っています。
モミジの幹が!
12月に入ってから鉢作りを一度ストップして、これからもう少し鉢作りがやりやすくなるように部屋の模様替えをしています。
窯だの粘土だの釉薬だの、おかしなものが今年に入って馬鹿みたいに増えたので、ここは先のためにも少し頑張って整理しておかないと。
普段からまめにやっておけばいいのに、できない私はだいたい年末ムードを利用することになるのです。
さて、最近棚の樹を見ていて、とあることに気付きました。
私が初めてタネから育てたモミジ。
実生から軸切り挿し芽で5年くらいになるのですが、当然樹の作り方などわからずに育てたので全然形になっていないし、大きな傷もあるのですが、根張りだけはしっかりできているのです。
それだけが誇りの樹。
この樹を手に取ると、いつも、これからどうしたものかと頭を抱えてしまうのですが、先日掃除をしていたら、幹に縦線が入り始めているのに気付いたのです。
モミジは山ほど実生しましたが、幹に縦線が入ったのはこれが初めてです。
少し大人っぽくなった姿に感動しました。
浜っ子のトウシオ
ブログには久々の登場かも知れません。
横浜支部の展示会に行った際、道端に生えていたのを引っこ抜いて来た杜松、「トウシオ」。
うちに来た当初のトウシオはどうしようかと悩むまでもない幹1本、枝1本の姿に剛直なシャリ姿。
2010年11月、確かこれが2本目の杜松だったかと思います。
この樹を東京支部の教室に持って行き、その時に、この杜松がしっかり鉢に固定されておらず少しグラついていて、講師はそれに気付き、片手で樹と鉢を抑えながら手を入れていまして、その際に、杜松は根を傷付けると枝が枯れることがあるから今こうやって樹と鉢を固定して作業していると説明を受けたことを思い出します。
そんなに根が繊細な樹を、その後ビクビクしながらとても小さな鉢に植え替えまして、あとはひたすら枯らさないことを考えるだけでしたが、落ち着いてくれたら案外丈夫で、ただ、この大きさで花を咲かせてしまうのがちょっと怖いと思うところです。
今年は芽摘みを控えめにしておきました。
あと、A藤名人から、幹にはうっすらと曲があるのに、剛直なジンシャリが邪魔してそれを隠しているという趣旨のアドバイスもいただき、試しにそれを恐る恐る少し削ってみたら、幹に動きが出て、
「あ~、持つべきものはやっぱり名人だなぁ~」
と驚いたものです。
さて、その後いつくかの性の杜松を手にしてみて、以前の教室で講師が、この樹はあまり良い葉性ではないと言っていたところがわかりました。
ちょっと葉がごわごわしているのです。
なので、小さな盆栽にするにはちょっと不向きな葉なのですね。
でもこの樹、結構気に入っています。
貧相なところとか、求めてもいないのに花を咲かすところとか・・・
ん?褒めてない?
褒めています。
言葉が的を得ていないだけです。