終わらない鉢作りはない!
先日の木瓜鉢、結局その日のうちに削りは終わらせました。
1マスが5ミリです。
うぅん・・・これくらいの作りで勘弁していただきます。
底穴を1個にしてしまいましたけど、良いのかな?
果たして、自分の好みに焼き上がるのでしょうか。
予定通りに焼き上がると・・・
このテスト鉢のように、表面に鉄がポツポツと吹き出て、ちょっとワイルドになるはず。
実際作っていると、何が良くて何がイマイチなのかがわかりにくくなります。
レコーディングのミックスをずっとやっている時、ピンポイントに耳が行き過ぎてだったり、何度も聴き過ぎてだったりで、これで良しという落とし所をよく見失ったものですが、鉢作りの場合は物相手なのでそこまではないにしても、似たような感覚は少しあるみたいです。
色も質も変わって、焼き上がる頃には客観的に見れるようになっていることでしょう。
でも、焼き上がったら手が出せないので、何か気付いたら次回に活かすことにしましょう。
作っておきながらこんなこと言うのも口惜しいですが、うちにはこんな鉢に似合う樹は残念ながらありません。
黙々と木瓜
あぁ、寒い。
寒い寒い寒い。
ホットパンツの隙間から、冷たい風が入り込んで来ます。
あと1か月ほどで締め切りということで、一木一草話、春の豆盆栽展(3/23~4/7)のためにお渡しする鉢を急いでいるわけなのですが、しばらくシンプルな長方をいくつか削っていて、その辺は半日くらいで1個削り終われたのですけど、日曜日に木瓜など久々に始めてしまい・・・
日曜はここまで。
ラップで包んで反らないように重しをしておしまい。
慣れない形を考えながらやるとなかなかはかどりません。
しかし、昔なら今の倍以上の時間はかかっていたと思います。
昨日月曜日、これまたものすごく久々に雲足なんてどうだろうという気分になってしまい、彫り始めてしまいました。
4つの足を彫り終わったらもう寝る時間。
写真で見ると、ちょっと彫りの模様が大きく感じて気になっています。
あまり足は偉そうにならないようにしたいのですが・・・
できるところまで調整してみます。
さあ、今日はどこまで進められるか。
自分で使う鉢すらないのに、と感じることもなくはありませんが、でも、生活に張り合いが出ます。
良いものを作りたいです。
北風吹きました。/ 鉢割れました。
初めての支部展で飾った杜松宝。
・・・が入った鉢。
安い鉢でしたが、この樹に似合っていてとても気に入っていました。
ところが今日ちょっと5分程家から出ている間に、棚から5カゴほどが強風で落下して、割れてしまいました。
ちょうど戻ってきた私は10メートルくらい先で棚からカゴが落ちて行く姿を見てしまいましたよ・・・自分の目を疑いました。
しかし幸い樹はすべて無事で、割れた鉢は素焼鉢以外はこの杜松宝の鉢だけでした。
ま、仕方ないです。
それはそれとして、強風が吹いてものすごく寒い中、そこの後片付けをするのも辛かった・・・
とりあえず最低限の片付けをして、残りは明日頑張ります。
やっぱり自然にはかなわないね。←?
日本小品盆栽協会東京支部 2月の例会で若者?は飾る
「私達の若い頃は、競って飾ったものだ」
1月の新春初飾りの席であまりに飾る人が少なく、T屋さんが発したこの言葉がずっと胸にひっかかっていました。
私もこの会に入会して早4年目。
まだまだ見る側、甘えたい盛りの新人と思いつつも、いつの間にか後輩も増えましたし、自分の中で、今のうちにもっと積極的に飾りを経験しておかないとという思いも強くなってはいたのですが、実際は、まだ無理だよぉ・・・という気持ちも強く、そんな揺れる思いを抱く迷える子羊だったのでした。
しかし、T屋さんからそう言われて私の盆魂に火が付きました。
まだまだな樹でも、道具がなくても、とにかく毎月の例会で飾ってみよう、そう決めたのです。
そうやって、先月から、この辺のは使えそうかも・・・?という樹や草の目星を付け始め、時々、ああでもないこうでもないとやったりしつつ、結局当日の朝まで迷ったりして決めました。
そこで気付いたのですが、そうやって、簡単な飾りでも、シュミレーションすることで、普段以上に樹を見るし、掃除も丁寧にするし、どんな道具があればこんな飾りもできるなどと必要な道具もイメージできるし、等々、勉強になることだらけでした。
さて、今うちでは春らしい花を咲かせている樹や草がたった1鉢だけ。
先日の記事のボケ、紅小町。
しかしその花ももう咲いてから1か月以上経っていて、花がだいぶくたびれていました。
なので、当日まで迷いましたが結局、花を使わずに近付く春を感じてもらえそうな飾りに挑戦してみました。
ちょうど、去年花が咲いたオトギリソウの枯れた軸を残したままの鉢が、その足元に今年用の緑の葉が準備されている姿が冬から春への流れを感じたので、本来飾りは主木から決めていった方が楽と教わっていますが、今回は敢えて草から飾りを組み立てていってみることにしたのです。
草がこれくらいの大きさの鉢となると、うちではこの大きさにバランスがとれる樹は自然と限られてきて、たいして選ぶまでもなく山実生のモミ(おそらく)を主木に選んでみました。
樹自体が作っている最中のものですが、よいのです。
それを気にしていたら前に進みません。
この樹、近々バッサリと今の芯を落とす予定があるので、その前に一度飾って見てもらっておくのも良いかなという気持ちで主木決定です。
そこいらまで決まって来たところで、大きな盆栽だったら、この2点で、真ん中に軸なんか持って来てかざっちゃうんだろうなぁ・・・というイメージが湧いてきましたが、残念ながらうちには軸なんてそんな洒落たものはありません、ありません。
そこで草と主木の間にどんな脇役を入れるかで悩んだのですが、上に書いたように、ボケの花を入れるのも考えたのですが、そうすると視線を持っていかれて、影の主役の草の春を待つ感じが一気に薄れてしまうので、ここは逆に脇役が冬を強調することで草の春を待つ感を強調してえみようと、葉のないカエデ(マキバオー鉢)を入れてみました。
トドメに、kavalonさんから以前いただいたドイツ土産のウサギの小物を草の脇に配して、春が近付き動物達も動き出してる感を狙って・・・ドイツの景色の完成です笑。
ううん、モミの高飾が小さ過ぎる感もありますが、とりあえずこれが自分の2013年2月の精一杯でしょう。
おまけに八つ橋とか言いましたっけ?細長い板をずらして使う地板、例会前に急いで飾ったせいか、写真で改めて見ると、ずらし過ぎに見えます。
写真に手を突っ込んでそれを直したい気分です。
それでもこうやって毎月できるところで飾りに挑戦していって、いろいろ気付いたり、飾りの理解を深めていきたいと、そう考えています。
私がこの会に入会した時から、先輩方が毎月例会で飾ってくれる樹を見るのがたのしみで仕方ありませんでした。
果たしてこれから私も、そんな風に後輩さんからたのしみにしてもらえるような樹を作り、飾ることができるようになれるでしょうか。
わかりませんが、とにかく、飾るのは楽しいです。
国風展で研ぎ澄まされた私
遣唐使が廃止された後日本的な感性や美意識を反映した文化を、中国から輸入された唐風文化と対比して「国風文化」と呼ぶそうですが、最近読んだ茶の湯の本によると、「国風」という言葉は中国最古の詩集「詩経」の305編の詩が「国風」「雅(が)」「頌(しょう)」の3部門に分けられていて、「国風」は地方諸国の素朴な民謡、「雅」は周王朝の洗練された歌、「頌」は祭祀、つまり神を祭る儀式のための歌で、大昔の日本でも「国風」という言葉は土風・土俗の意味で使われていたが、江戸時代になって、漢詩に対して和歌を「国詩」「国風の詩」などと称したため、本来の意味から外れた、雅、王朝的といったニュアンスが付け加わったと解説する茶の湯研究の方の話が書いてありました。
そんなことはどうでも良いのですが、先日国風展に行ってきました。
国風展だけあって、ゴージャスな樹がずらりと並んでいました。
音楽でいえば、アルバム1枚を通してあるべき曲があるべき位置にある名盤、というよりも、ヒット曲ばかりを何十曲も集めたベスト盤、といったところでしょうか。
ラモーンズマニアは30曲入りです。
今回私は前もって見るべきところを1点に絞っていきました。
ずばり、鉢の胎土の色や質感です。
最終的に見終わる頃には目をつぶっていても何渡りの鉢かわかるようにまで私の感覚は研ぎ澄まされてしまいました。
グリーンクラブをまわり終わる頃には寒さが体の芯を通り越して私の魂すらも震えだすほどで、参りました。
それでも、収穫の多い国風展でした。
日本小品盆栽協会東京支部 2月の例会のご案内
2月10日(第2日曜日)、日本小品盆栽協会東京支部の2月の例会があります。
★午後1時半より
「基礎コーナー」
テーマ: 「ボケ、バラ等、2月に植え替えられる物の作業」
講師:I東支部長
★午後3時より
「教室」
テーマ: 「バラ科盆栽のあれこれ」
講師: T屋氏
会費: 500円
会場:杉並区立永福和泉地域区民センター2階、第4集会室(井の頭線・永福町駅下車、徒歩5分程)
井の頭線永福町駅改札を出るとすぐ頭上に、看板がありますね。
目指すは永福和泉地域区民センターです。そのまま直進ですよ。
最近新しくなった駅舎。そのまま行くと、左に折れます。
左に折れると右手にすぐエスカレータと階段があります。
ここを降ります。どちらを使うかは自由です。
さあ、駅を出ました。
目印は「ボンシューズ」。このお店がやっているのを先日初めて見ました。
このお店に向かって左を走っているのが「井の頭通り」です。
ここを反対、「大勝軒」側に渡ります。信号は守りましょう。
大勝軒側に渡って右を向きます。
三菱東京UFO銀行の看板が見えますか?見えたらそのまま怖がらずに前進します。
もうすぐですよ。
少し歩けば酒屋の三浦屋さんがありますね。
さて、この三浦屋さんの角を左に入っていきます。案内の看板もありますよ。
ここまで来ればもう安心。曲がってすぐ右手に見えてくる建物が永福和泉地域区民センターです。
正面入り口はこちら。
中に予定表がありますので、会場を確認してみましょう。
会員でない方の見学も歓迎しております。
興味のある方、初心者の方、ご参加をお待ちしておりますので、お気軽にどうぞ。
3月の例会は、3月10日(第2日曜日)です。
吉田バラの根伏素材
先日の吉田バラを去年ビニールポットから植え替えた際に切った根を根伏せしておいたら、1年で5、6本の幹が立って、根元がかなり立派になっていました。
根元がもう良い感じなので、立ち上がった幹を今回1本に絞って剪定し、植え替えておきました。
このふざけた鉢は自分のもの。
貫入でなくて結晶です。
樹が古くなる頃に鉢も古くなっていてくれたらそれでいいです。
この釉が古くなったらどうなるか。
放置プレイのヤマコウバシ
いつのことだか忘れてしまいましたが、いつか、どこかで、ヤマコウバシの真っ直ぐ苗を買ったのですが、欲しかったには欲しかったヤマコウバシではありますが、なにぶん真っ直ぐだったために、挿すなり取るなりして初めてスタート地点・・・その後、時期を逃したり、面倒臭がったりで、結局放置しっ放しでした。
大きさが邪魔で、いつの間にか棚を追われたこのヤマコウバシ、置き場は大きな実生キンカンの鉢植えの植木鉢の上。
去年の夏あたりは大きな実生キンカンの鉢の上で、何度も鉢がカラッカラになりながら生きていました。
ヤマコウバシも、
「さすがにこのままじゃ殺される・・・」
とでも感じたのでしょう、根を底穴から伸ばし、キンカンの植わる大きな鉢にもぐりこませていました。
強風の日に、
「よくこの鉢は落ちないなぁ・・・」
と感心したことが以前ありますが、そういう仕掛けだったのね。
さて、そんなヤマコウバシの鉢が先日ふと目に入り、最近棚の整理を意識し続けている私は、この樹どうしようかと手を伸ばしました。
あ、根が下の大きなキンカンの鉢に入り込んだままでしたので持ち上がりませんでしたけど。
知っていたけど忘れていて、イラッ!!
「整理、整理・・・」
自分を恥じながら、もぐりこんだ根をハサミで切って、改めてじっくり観察してみました。
こんな風に、このヤマコウバシは横にぐっと倒して植えられていたのですが、よく見ると根元に上向きの芽吹きがありました。
大きな芽がひとつと、もしかしたら芽吹きそうな小さなものが2つ。
これはこれは!と、即植え替え始めたわけで、だから既に写真では身ぐるみはがされているのです。
この樹にはこれから筏吹きを目指していただきます。
別の鉢に、根を良くするために深めに植えこんで、上の方を飛ばして足元の芽に力が行くように祈りを捧げました。
これで根元から何本かの芽がちゃんと吹いてくれたら万歳です。
この鉢、昔展示会で会員さんの即売で買った素材が入っていたのを抜いた、陶翠マークの鉢なのですが、この形、奥行きが極端になく、深さはしっかりある楕円、いわゆる様式バスタブ型?鉢ってどうやって使うものなのか疑問でした。
でも、今回それがわかりました。
筏吹きを作るのにぴったりな形です笑。
いやいや、それにしても「放っぽっとく」ってすごい技だなぁ。
これだから棚の整理が必要になってしまう。
しかし、時には放置してみるものだなぁ。
手に取ることもなかった樹が、とても気になる樹に変わってしまいました。
一木一草話 「春の豆盆栽展」
数日開けずにいたポストの中に、一木一草話からの封筒を見付けました。
「春の豆盆栽展」の案内ハガキが入っていました。
++++ 一木一草話 「春の豆盆栽展」 ++++
2013年3月23日(土)~4月7日(日)
11:00~20:00
*期間中は月曜(定休日)も営業
++++++++++++++++++++++
そして、同封の女将からの手紙には鉢の出品の依頼が・・・
今までお客さんとしてたのしんでいたイベントでしたが、今回は品物を出す任務を与えられたようです。
植え替えシーズンや花粉症と被って、ものすごくハードな春になりそうですが、これに参加するのは目標のひとつだったので、とにかくがんばらないと。
あと、手紙によると、それとは別で私宛ての鉢の注文も受けたそうです。
泥鉢5個、とのこと。
そういえば以前女将から、私の焼き締めの木瓜はないかと尋ねてきた方がいるから時間があったら作っておいて、と言われてもいました。
正直な気持ちを言えば、私はまだまだ鉢作りに関して、入口で日々勉強中。
でも状況が先へ先へ、どんどん私を引っ張って行って、どうにか転ばないでそれに追いついて行けるように試行錯誤を繰り返している感じです。
今年は焼き締めを頑張るつもりでいましたし、いろいろ面白そうな材料を取り寄せ、只今焼成テストの繰り返し。
今日も今、テストピースだけを入れた窯は1000度を越え、部屋の中がホカホカです。
やっとこの数日で、これからの自分の泥鉢製作に光が少し見えてきたかも?というところです。
まだまだそんなところでウロチョロしている私ですので、注文してくれる方の期待に応えられるかどうか、とても自信があるとはいえませんが、私のマイペースは人の倍の時間をかけてしまうので、こうやって少し追われるくらいが良い気がします。
とにかくやれるだけやってみよう。
新粘土・新釉薬のテスト(の一部)
新しい釉薬と、新しい土の組み合わせを試していたら・・・
面白い組み合わせが見付かりました。
今回は板状のテストピースはやめて、猛スピードで荒い作りの豆鉢をシコタマ作って試しました。
新しい粘土をいじってみたい、新しく考えた豆鉢の釉掛け方法を試したい、などなどの理由で。
ちなみに、ここに載せているのはその中でも形がまともな部類です。
この釉薬なんかは、1200~1220℃の焼成と書いてありましたが、1235℃にも耐えてくれました。
渋い色ね。
こちらは今まで使っていた釉薬に新しい土の組み合わせ。
気まぐれで、トンボを簡単に、ちょちょちょっと数分で彫っておきましたよ。
テストピース作りで時間をとっても仕方がないので、とにかく急いでいましたが、単調な作業にイライラして、ついつい遊びたくなってしまったのです。
こうして書くと上手くいっただけに聞こえますが、実際はたくさんのパッとしない結果や、盛り上がらない結果がありました。
なので窯出しのあとは結果を整理して、次のテストの狙いを絞っておきました。
ただ、良かったのは、2種類の粘土20キロずつ、計40キロの粘土がなかなか面白そうで、捨てるに捨てられずずっと我が家に居座るなんてことにはならなそうなこと。
1、2度焼いただけで、使えないと奥で眠ったままの釉薬だってうちにあります。
ま、粘土が使えないものだったら、40キロもあるのですし、ビニールにでも詰めて枕とか抱き枕にすれば、夏は相当気持ち良さそうですけど・・・
絶対気持ち良い!!