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紅千鳥モミジの取り木

 うちの紅千鳥は、地上部こそ間延びしたところもなく、作っていくのがとても楽しそうな姿なのですが、足元が、挿して1本だけ生えた根が太っただけのような根細加減で、ここをどうにかしない限りは絶対に良い樹にはならないものでした。

 2012年春の姿↓。

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 なので、思い切ってこの春、取り木してみました。

 貴重な素材なのでドキドキでしたが、そのまま持っていたって良くはなりませんから、こんな時は覚悟を決めて、やるしかありません。

 景気づけに一杯呑んで、皮をひんむいてやりました。

 それから2カ月くらい経ちましたでしょうか、最近は2番芽も吹き出し、胴吹きもチラホラで、もしかして、そろそろかなと思い、今日、中を見て見ました。

 結果はグレイトでした。

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 プラスチックのポットに底の方を切り落したビニールポットをはめ込んで縁の高さを上げ、そこに土を流し込み、乾きを防ぐためにその上にミズゴケを載せておきましたが、根は八方を通り越して16方に張っています。

 パーフェクトです。

 このまま鉢に入れたいところでしたが、せっかく出た根が元から折れてしまったら今晩はヤケ酒になりますし、なにより適当な色どころか適当な形の鉢すらなかったので、今は我慢と再びプラポットに入れました。

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 反対側。

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 立たせれば模様木、双幹風、寝かせれば吹き流し風にできるフレキシブルなツリーです。

 どう植え付けておくか迷いましたが、とりあえず寝かして足元の枝を大切に育てることにしました。

 そして、切り離して水の吸い上げが追いつかなくなるとかわいそうですので、不要な芽を切り、葉の大きさと数を見て、減らせるところは葉を減らしておきました。

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 反対側。

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 枯らさなければ、この樹は絶対良くなる気がします。

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 あちこちから芽吹いています。

 来年までに丁度良い鉢を用意しておかなくては。


箱根ツタウルシ

 もう2週間が経ちましたが、6月の例会の際に、「つるもの三点」を飾ってみました。

 なあに、凝ったわけでなく、ただのネタ切れ。

 簡単なものでも、さすがに毎月樹を飾っていると飾るのに丁度良い樹がなくなります。

 なので、苦肉の策と言いましょうか、ツルを伸ばす樹を集めて飾っておきました。

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 チリメンかずらの幹の色が重い・・・代りに鶴の添配でも飾っておけば良かったと、ちょっとヤケになってみる。

 右からチリメンカズラ

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 ツタ

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 箱根ツタウルシ

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 このツタウルシは支部展で初展示した時に使いました。

 その時の姿

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 すっかり変わりました。

 この樹は姿が変わる樹種と言われていましたが、なんと流れが逆になりました。

 剪定はほとんどしないで済む、ハサミ要らずな樹です。


タグ:ツタウルシ

日本小品盆栽協会東京支部 5月の例会はドゥビドゥバ!シュビドゥバ!

 5月12日、この前の日曜日のことになりますが、日本小品盆栽協会東京支部の例会がありました。

 基礎コーナーは取り木や挿し木などについて。

 教室では五月の管理作業についてと、最近親睦会などで購入したものを中心に、今、そしてこれからどう手を入れていくか、それぞれ樹を持って来てアドバイスを受けました。

 五月の管理作業で講師自らの樹のいくつかを見本に、弱っている樹から展示会で使おうかと考えている樹まで、芽摘みの例を見せていただいたのですが、とにかくその樹の生理、樹の状態、これからの展望など、いろいろなポイントを念頭に、その樹に合った芽摘みをしているのを見て、一応3年半ほど私もこの会で樹作りを教わってきたのですが、自分の芽摘みがいかに考えの浅いものだったのかが身にしみました。

 偉そうですが、最初の頃に比べれば一昨年、去年と、少しずつ掴んで成長しているという実感が自分の中にほんのりとあったのですが、まだまだ。

 帰宅後、自宅の樹を手にしてじっと見つめ、ハサミを向けるのですが、一体その芽を摘むことにどんな意図があるのか、今摘まなくてはいけない芽なのか、その樹は今自分でどうなろうとしているのか、様々なことを考え悶々として、結局2時間ほど棚の前にいて、実際にハサミを入れられたのはほんの数芽だけ。

 ちょっと自分が情けなくなりました。

 ここに芽が吹いて欲しいなというところに芽吹いたり、この根はいらないかなという根が自分から枯れていったり、その日の教室でも講師は言っていましたが、そんな話を講師からよく聞くのです。

 おどけて、

 「念力があるんだ」

 と言っていましたが笑。

 そういったことも、おそらく、樹の生理を理解して、適当なタイミングで、適当に各所の勢いを調整しているから、念力じみたことが起こるのでしょう、きっと。

 本には書くことができない、仮に書くことができてもそれを読んだだけでは理解はできない、とても感覚的な世界なんでしょう。

 私もできることならそこまで至りたいと思って盆栽に取り組んでいるのですが、とにかく今は、しっかり樹を観察して、いろいろ試してみることしかできません。

 盆栽を始めて、それまでは樹を生き物だと思っていましたが、今は、雲とか、滝とか、風とか、そんなような「エネルギー」的な物・現象と物質的な「生き物」の間に位置する存在のように感じています。

 なので講師が樹を持つ姿が、時々、小さな雲を相手に遊んでいる姿のように見えてしまいます笑。

 走り回ってどんなに良い素材を手にできても、そこから良くするには樹の生理を理解した管理・芽摘み・剪定が必要になりますし、特に芽摘みというのは、とても奥の深い、大切な作業に感じているのですが、その分なかなか理解できません。

 だからとてもくやしいのです。

 でも、私はそれをしっかり身につけてみせます。

 「芽吹け、ごま!」

 と指差せばそこに芽吹くくらいの念力をです。


モミジ(紅千鳥)を、素材作りから

 3月の伝統園芸フェア(DEF12th)の搬出日に売店で大きな鉢に入った紅千鳥を見付けました。

 取り木をしただけのほぼ苗木状態で、小さな盆栽にするにはゼロからのスタートとなりそうで少し迷いましたが、そもそも私はチマチマと作っていくのが好きですので、いただいていくことにしました。

 何本の枝が取れるか数えていると私の心の声が耳から聞こえて来たかのように

 「何本とれるかなぁ~?」

 という声が聞こえて、ついに私も精神を病んでしまったのかと遣る瀬無い気持ちになりましたが、その声の主は横に偶然居合わせた文人木さんでした。

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 背景のおかしな棚に関しては置いておいて(狭い場所で陽当たりの良い場所を無駄にしないための悲しいやり繰りである)、こんな大きな木ですので、これから親木として活躍してもらうには十分でしょう。

 まずはたくさんある枝からいただいていく計画ですが、買った時点で枝の節は間延びしていました。

 それをいくら挿したところで私好みの小さなモミジは作れないだろうと思い、そのまましばらく放置してきました。

 ある崇高なる目的をもって。

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 枝元は随分と徒長していますが、しばらく放置して、枝が伸び止まる頃になってくると、芽出しの勢いを使い果たして先端の節が詰まってきます。

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 この辺が欲しかったのです。

 この辺をうまく発根させたらハサミでチマチマと作っていくつもりです。

 そうやって枝を挿したあとは、切り詰めた枝の先である程度素材の土台を作ってから挿すなり取るなりして、第2段の素材を得られたらなと思っています。

 でも、これだけ大きな鉢でまだまだ根も伸びる余裕が十分ですので、芽出しも暴れそう・・・

 節を詰めて作っていくのには日々の観察が欠かせなさそうです。

 しかし、この樹種の小さな素材はめったに出会えませんので、自分で枝から作ったほうが早いでしょう、きっと。

 そのためには自分で樹を作る技術が必要になりますが、幸い私にはそれが溢れ過ぎて、毛穴からしみ出るくらいですので、心配はありません。

 うまくいったら紅千鳥屋さんになって、紅千鳥御殿でも作ろうかと思います。            

 そのお金で歓楽街を飲み歩き、毎晩千鳥足です。

 笑いが止まりません。


タグ:モミジ

日本小品盆栽協会東京支部 5月の例会のご案内

 5月12日(第2日曜日)、日本小品盆栽協会東京支部の5月の例会があります。

   ★午後1時半より

  「基礎コーナー」

 テーマ: 「取り木・挿し木の実技」

 講師:  I東支部長

  ◎取り木、挿し木のできる樹種とその方法、など。

   ★午後3時より 

  「教室」

 テーマ①: 「5月の管理作業」

 テーマ②: 「最近入手した種木・草物の処理」

 講師:  T屋氏

  ◎春の親睦会、大宮の盆栽祭りなどで手に入れた樹や草を見ていただきましょう。

 会費:  500円

 会場:杉並区立永福和泉地域区民センター2階、第4集会室(井の頭線・永福町駅下車、徒歩5分程)

 井の頭線永福町駅改札を出るとすぐ頭上に、看板がありますね。

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 目指すは永福和泉地域区民センターです。そのまま直進ですよ。

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 最近新しくなった駅舎。そのまま行くと、左に折れます。

 左に折れると右手にすぐエスカレータと階段があります。

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 ここを降ります。どちらを使うかは自由です。

 さあ、駅を出ました。

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 目印は「ボンシューズ」。このお店がやっているのを先日初めて見ました。

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 このお店に向かって左を走っているのが「井の頭通り」です。

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 ここを反対、「大勝軒」側に渡ります。信号は守りましょう。

 大勝軒側に渡って右を向きます。

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 三菱東京UFO銀行の看板が見えますか?見えたらそのまま怖がらずに前進します。

 もうすぐですよ。

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 少し歩けば酒屋の三浦屋さんがありますね。

 さて、この三浦屋さんの角を左に入っていきます。案内の看板もありますよ。

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 ここまで来ればもう安心。曲がってすぐ右手に見えてくる建物が永福和泉地域区民センターです。

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 正面入り口はこちら。

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 中に予定表がありますので、会場を確認してみましょう。

 会員でない方の見学も歓迎しております

 興味のある方、初心者の方、ご参加をお待ちしておりますので、お気軽にどうぞ。

 6月の例会は、6月9日(第2日曜日)です。


ちょっと無茶して植え替える

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 こんな鉢が焼けました。

 鋲のある丸鉢。

 ちょっと温度を上げ過ぎて、釉が下部へ流れ気味になり、下段の鋲が埋もれかけています。

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 以前からこんなのを作る予定でいたのですが、早く作らないと早く作らないと、と考えつつ、遅れに遅れてこんな時期になってしまいました。

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 というのも、入れるつもりの樹があったのです。

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 東洋照という品種の花ザクロで、去年某女将のところで譲っていただいたのですが、九霞園さんのところからとある盆栽園さんに渡った樹とのこと。

 東洋照なんて名前、聞いたことありませんでしたが、確か「自然と盆栽」誌にザクロのいろいろな品種の記事が載っていたくらいですし、ザクロが流行ったり、その過程で色々な品種が出回ったりというのがあったのでしょう。

 それでですね、パッとしない鉢に植わっていたので、この樹に鉢を作ってあげようとしたのです。

 鉢の形は、花がなかなかエレガントな感じでしたので、逆をあててみるとでもいいましょうか、敢えて鋲打ちのワイルドさで攻めてみました。

 釉のトルコ青は・・・ザクロの原産がペルシャ方面とのことなので笑。

 しかしながら、焼き上がったは良いものの、植え替えの時期がだいぶ過ぎてしまったので、来年にしようかと悩みましたが、結局無茶して植え替えてしまいました。

 慎重に、もう伸びている白根をいじらないように、バケツの中でまわりの土をやさしく落としてひとまわり小さい新しい鉢に移すという作業です。

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 こんな感じで・・・

 大きな花をつけますし、ザクロは土の中が弱い印象ですので、もうちょっと大きめにすれば良かったかも知れません。

 もしも余裕があったら、一応もう少し大きめのを作り直しておきましょう。

 この樹、最初の枝分かれのところが3本になっていますが、これはもうこのままでいった方が良いのでしょうね。

 切って焼け込んでもつまらないですし。

 後悔する結果にならないように、しばらくは用心の管理になります。


タグ:ザクロ

伊吹ジャコウソウとコマユミの開花

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 伊吹ジャコウソウが良い雰囲気で咲いてくれました。

 鉢は、黒い色にした方が似合うかしら。

 ちょっと考え中です。

 ところで、今朝潅水をしていたら、私が盆栽を始めたばかりの頃に数百円でポット苗を買ったコマユミが初めて花を付けているのに気付きました。

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 鉢に入れて枝を剪定する程度しかしていませんのでノッポです。

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 節の詰まった短枝2本に、計5個ほど咲いていましたが、すべてオス花でした。

 それでも、初めての開花にちょっと感動。

 この樹自体は今となっては作るつもりもなく、ただ、挿し穂を取る親木として使えるように枝の節間だけは間伸びしないよう剪定してきた程度。

 植え替えも3年くらいはしていない気がします。

 だから花を咲かせたのでしょうか?

 少し枝枯れもしているようですし、今年また挿し穂を取って、来年は植え替えしてあげたいです。          


大宮盆栽祭 2013

 ワッショ~イ!! 

 5月3日、大宮の盆栽祭に行ってきました。

 お昼ご飯は東京支部メンバーで一緒に。

 いろいろあって、若さ?という名の元にお刺身とウナギライスをおかわりできました。

 買い物をたのしみながら3軒ほど盆栽園さんを見させていただきましたが、最後に寄らせていただいた九霞園さんがとても素敵でした。

 是非また行きたいなぁ。

 九霞園さんでM島さんがハサミの相談をするのに便乗して、これも記念にと、山ほど買おうとしていた東福寺を我慢して、私もハサミを注文してしまいました。

 今まで使っていたのは、盆栽を始めた時から使っているホームセンターで買ったハサミでしたが、このままそれを使っていたら良いハサミに変えるタイミングを失いそうで、以前からそれを気にしていたのです。

 だって、いつも私は東京支部の例会の教室の内容をレコーダに録音して聞き直しているのですが、いつも講師のハサミの音が、良い音をしていて、とても心地良いのです。

 うちのハサミときたら、

 「スチャッ!」

 なんて、人を小馬鹿にしたような音しかしません。 

 自分の才能が輝きと共によりいっそう深みを増し、盆栽の腕も格段に伸びた今、丁度良いタイミングでした。 

 帰りは残った新人だけで喫茶店に寄って帰ったのですが、みんな疲れてちょっとおかしくなっていたのか、いい年して濃いくちクリームソーダとか、カルピスフロートだとか頼んでいて、横にいてとても恥ずかしかったです。

 というわけで、こんなのを持ち帰ってみました。

 まずは、みんな大好き五葉松。

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 取り木で株立ち状になっている様子。 

 私の記憶が正しければ、これを買ったお店で数年前、私は自身初めての五葉松を買いました。

 その五葉松は形にならないまま成長しましたが、その樹からは言ってみれば、五葉松の生理や、日常の管理の仕方を教わった気がします。

 季節ごとの細かい作業を教わったところで、置き場や水加減は育てる人の場所や季節でかなり変わるでしょうし、細かい作業以前にある程度元気がなかったらそれもままなりませんし、それを考えると、姿としては全然良くならなかった初五葉との数年間も、私にとっては必要な年月だったのでしょう。 

 反対側。

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 上から。

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 株元をアップで。

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 薄い鉢に入っているので下に根が伸びていることはないようですが、横には太めの根が伸びているのが見えます。

 五葉松の第一関門は、思い切って根を切れない五葉松を小さな鉢に根をおさめること。

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 楕円の薄い鉢に入っていますが、底穴が中央にひとつで水がたまりやすそうなのと、もっと根の状態を把握したいという欲望とで、鉢替えをしたくて悶々としています。

 これと、あと小鉢をひとつだけ持ち帰りました。

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 落款はなくて、店主さんも誰の鉢だかわからなかった、絶対に樹が抜けなくなりそうな鉢。

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 でも雰囲気が素敵で、古さもあったので、良い買い物をしたと思います。

 雑に感じさせないほどの手の跡があって、丁寧過ぎない丁寧さ。

 その加減が良い感じ。

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 楽しい一日でしたが、今朝目覚めてみると、体が予想以上にミシミシいっていました。

 ま、38年この体で自分の魂を持ち込んでますし、仕方ないかな?


タグ:五葉松

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