秋といえば
東京支部の遠足と、素焼きの「輝」鉢。
苔取り
不意打ちで、今さら、自分の飾りを。
支部展が終わり、その整理を諸々済まし、いくつか書き物をして、そのまま休む間もなく次の大仕事、事務所変更の手続きに入った私。遊びたい盛りの年頃なのに、なんて可哀想なのでしょう。
しかし、ここまで来れば、今年もあと少し。
がんばらねば。
昨年末から私の周りや私自身に、実に色々なことが起こっています。余命宣告を受けた父の病状が悪化した頃、事務局が退任の意向。1年の引き継ぎ期間を持つことを条件に退任が決まる。そんな状態で長く不在だった前支部長の代わりを務めることに。やること、てんこ盛り。
年明けの総会の準備に入るも、いくつかのトラブルが起こり、それらをおさめることに。一方、父はもう私を誰だかわかっていない様子に。
年が明け、総会で正式に支部長就任が決まると、すぐ後の節分の夜に父が他界。親戚関係など一番よくわかっていない旗本の次男坊の私が経験のない葬儀を手配し、取り仕切る。これは本当に大変だった・・・
様々な事情で会の活動を離れる方も出る中、毎月の勉強会、役員会、各種イベントの手配。そして一番の山、支部展の準備。
出展者数の減少から、昨年と同じに開催すれば大きな赤字が出ることははっきりしていたので、会場・会期などを変更する方向で準備に入っていく。なので、ただ今までのやり方を引き継ぐだけでは済まない形。もうこうなってくると、ほとんど家で盆栽をたのしむ余裕なし。鉢作りなど夢物語。
遊びたい盛りの年頃なのに。(再)
重なる時は重なるもので、支部展準備も終わりに近付いた8月の末、受けた健康診断の結果、俺様の胃に問題があるとか。アレアの不整などと、気取った書き出しで始まる難しい抽象的な哲学小説のタイトルみたいな診断で、ひと月以内に精密検査を、と。
「うるさい!こちとら支部展を控えてるんじゃい!」
そんな感じで、たいした樹もないまま、盆神様に奇跡を祈るばかりで、飾る樹を決めるのには相当困りましたが、実は、飾りのコンセプトだけは早い段階から持っていました。
それが、今回樹種名札の脇に添えさせていただいた蕪村の句。
きのふ花 翌(あす)をもみじや けふの月
桜の季節はついこの間のことのようで、忙しさのあまり、それをたのしむこともできませんでした。そんなだから、モミジが赤く色付く季節もすぐに来て、それをたのしむことはないかも知れないなあ。だから、せめて今日の月くらいはたのしんでおこう。
こうやって私に都合が良いように勝手に解釈すると、妙に心に響くわけです。稚拙だろうと何だろうと、詩は心に響かせた者が勝ちなのである。「かくのごとく記録し、かくのごとく行え」
モミジは以前、ブログにも載せましたが、私が挿し木からチマチマやってきた樹で、作りは真面目過ぎるくらい真面目。わかる方にはおわかりだったことと思います。
ちなみに水盤の黄色い月は、ボタンサイズの焼きもので、とびきりテンションの低いウサギがぼんやり彫ってあります。
黄金シダ、真柏、香炉。
黄金シダも、ちゃんとこの鉢で持ち込んでいるものです。
私は草にはこだわりたいタイプ。
イボタ、屋久島ススキ。
この屋久島ススキはよく飾ります。私の自慢の草なので。褒められるまで何度だって飾ってやりますよ笑。だって、初めて展示した時からこの鉢で持ち込んでいるのですから。お陰でだいぶ根が盛り上がってきてしまっていますが、大先輩のK本さんもよく言われますが、それが古さの証なのだよ、諸君。
と、支部展も終わりしばらく経ちますが、少し時間ができたので記事にしておきました。
こうして今に至るわけですが、先日胃の精密検査を受けて来まして、正式な結果はまだとはいえ、お医者さんの話では、どうも大きな問題はなさそうです。それならそういうことにしておきましょう。
さあ、久しぶりに余計なことをわんさか書いてやったぞ。
さすがにこのブログまでなかなか手はまわりませんが、好きで始めたことですし、しぶとく、ひっそりと、そして美しく、たまには更新していきたいものです。