モミジのサムライ羞恥法、再び。
さてさて、先日の東京支部の例会で、モミジの「サムライ羞恥法」について、T屋さんより説明がありました。
去年の春の例会の支部長の基礎講座で私は初めてこの、モミジのハカマを脱がせて手なずける、「サムライ羞恥法」という秘技を目の当たりにしました。
その技は、盆栽趣味にふさわしく、ひたすら地味で、派手さがないので、間違いなく見る人をあっと言わせることのないものでした。
「ここまで管理やってる人はわりかし少ないから、これ小品の中では覚えておいた方が良い(管理)ですよね」
とT屋講師も言いますが、やる人が少ないのは、その作業の華の無さが悲しいくらいに関係しているのでしょう。
しかし、支部長もT屋さんも実行している作業となれば、「牙を抜かれた日本小品盆栽協会の飼い犬」と評判の私がやらない訳にはいきませんね。今年もひと通り試しておきました。
こうやって、芽が吹く前、伸びる前にハカマを取ってしまって、風も太陽も当たるようにすると、節が伸びないんだそうです。
これは、どんなに腕に自信のある血気盛んなサムライでも、そのハカマさえ脱がせてしまえば、戦意喪失。恥かしさのあまりその場にヘタり込んでしまうという、宮本武蔵の五輪書にある兵法を元に生み出された技術であります。
更に、ハカマを取る時に、まだシワくちゃの葉をピンセットで分けるとある2節目の芽も一緒に摘んでおけるわけで、こうするとモミジの節は詰まるのだそうです。
尚、ハカマを取る際に無理に引っ張ると、芽をダメにすることがあるので注意です。
ただし、このハカマはそもそも芽を保護するためのもので、それを人間の都合で取ってしまうのだから、取った後は寒さ対策のため保護しておかないといけないとのことでした。5度を下る日は要注意。霜が当たらないところへ置くのですって。
そうこうしているうちに、こんなモミジの小品盆栽が出来てしまうんだとか、できてしまわないんだとか。
このT屋さんの木は琴姫という小さな葉の品種のモミジですって。小葉の「性」というものがあって、それをさらに小さく仕立てる技術、さらにそこへ私の溢れんばかりの才能が加わった時、世界に感動が生まれるわけですね。
そうそう、私、3年程前に沢山ヤマモミジを実生しましたが、本当、1個1個違うものが生まれますね。
幹がすぐ太るもの、太らないもの、葉の形、大きさ、かなりバラツキがあります。
その当時本で読んだ軸切り挿し芽を10個ほど試して、あとはそのまま育てたのですが、せっかく手間をかけて軸切り挿し芽した株が、葉の大きな性だったり、形が残念なヤツだったりで、今になってその手間をちょっとバカらしく思ったりします。
一方、その辺にまきっ放しにしておいた株が良い形の葉だったりする訳で、結局モミジの実生は、手間をかけずに育てて、葉性の良いものを選ぶに限るということですね。
そして、一番確実なのは、性の良い樹、良い品種の挿し木苗なんかを買って来ることですが、さあさあさあ!あなたはどの道を選びますか?
私はモミジの実生、しばらくお休みいたします笑。
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