夢の中でも、実生梅
気がつくと、涼しかった夜が、肌寒い夜へと変わっていました。家の中で過ごすにしても、皮製のホットパンツ一枚では寒いくらいです。いいえ、そんな趣味はありません。
最近は棚の盆栽や、その素材を、ひとつひとつ取り出して、掃除をしながら、改めてこれからどう育てていくか検討してみています。
だいぶ土が飛び散ってしまっているものもあり、そんな鉢には、再び土を加えてあげたり、また、肥料も古くなってしまっているので、新しいものと交換です。
今日はそんな中から、まだまだ盆栽までの道のりの遠い、実生1年生を2つ、にらみつけてみました。
最初はエゴノキです。
1年生ですが、細い枝を3本伸ばしてくれています。幹はなかなか固くなってきているので、今のうちに針金で、立ち上がりに曲をつけておくことにしました。
来年の春に1番下の枝の上で幹を切って、芯を立て替えてしまう予定です。幹を太らすためでしょうか、本によっては2~3年はそのまま伸ばした方がいいと書いてあったりもしますが、この株は1年でカットしちゃいます。
次は、ウメです。
どこの梅の木のタネをまいたかは忘れてしまいましたが、他の苗にはまだ枝がないのに、この株だけ、細い枝を4本も5本も出しています。
立ち上がりには自然にできた曲があり、その部分が少し太くなっています。
来年からどう育てていくか、悩むところですが、やはり一番下の枝から作っていくことにしました。枝が固くならないうちに、その枝に針金を効かせて曲をつけておきます。
他の実生梅は、台木にでも、と考えていますが、この木は葉も小さく、枝もよく出るタチみたいですので、作っていくのが楽しそうで、花が咲くまで相当かかるとは思いますが、雑木気分で気長に育ててみようかと、そう考えています。
そういえば数日前、夢の中で、誰かから、
「梅の実生なんて、育てたって花が咲かないんだから、やったって意味ないじゃん!」
と、なんとも冷めた口調で言われました。私は熱く、
「時間がかかるだけで、いつかは咲くんだよ!待ち続けさえすればさ!」
と、怒鳴りつけました・・・。いくら夢の中とはいえ、なにをそんな梅の木ごときで声を荒げていたのでしょうか。今夜、夢の中の私に、そんなことで怒鳴るな!と怒鳴りつけてやろうと思います。
〈いつか盆栽〉様
楽しく読ませていただいております。
一点、ご教示いただきたく。盆栽初心者です。
この度、長年住み慣れた実家を売却することになり整理中ですが
特に庭の紅梅に思い入れがあります。移転先もないので実生で盆栽ができたらと思い、2つぷ の実を確保しました。
梅の実を発芽させるための教科書のようなものはありますでしょうか?ご教示いただけると幸いです。宜しくお願い申し上げます。古川
by 古川一夫 (2020-05-28 11:48)
古川一夫 さんへ
古川さん、初めまして。
ご実家の紅梅の実生ということですが、それに特化した専門書というのはないと思います。
それほど複雑なことでもないからです。
方法としましては、まず、梅の実自体がちゃんと熟した、充実した実であるということ。これは基本です。これがダメだと成績が悪くなります。
その実の果肉を取って、タネを取り出します。
確実なのはそのまま土に埋めてしまうことですが、
来年の春まで水遣りが必要になります。
ジッパーに入れて冷蔵庫の中で春まで保存という方法もありますが、
カビが生えることもあり、ご家族にも嫌がられると思います。
その後、中身が痛むことなく、タネが冬の寒さを感じ取れば、春には芽を出してきます。
要は自然界で起こる様を手近で再現してあげれば大丈夫ということです。
ちなみに、この記事の時の梅の木は、10年以上経った今、まだ我が家で小さな鉢で生きていてくれていますが、当然、一度として花芽はつけません笑。
咲かない樹でも時々は剪定をしないといけませんし、何年かに1度は植え替えもしないといけません。
一応その覚悟だけはしておいてくださいね笑。
何か他にご質問があれば、こちらでも結構ですし、このブログの左上に私が責任者を務める東京支部のホームページ「小品盆栽.TOKYO」のリンクがありますので、そちらのメールフォームからメールをくださってもかまいません。
私にも思い出の樹というものがありますので、可能な範囲でよろしければご協力させていただきます。
by まこと (2020-05-28 20:55)