苔取り
時々掃除をしていても、夏が終わる頃には多くの鉢の表面で苔やら雑草やらがワッショイワッショイと、我が物顔で青春を謳歌しています。また掃除しなくてはと考えても、一気にやろうとすると気が重くなるので、一日一鉢でもいいから、と考えるようにして、少しずつ進めています。小さな盆栽をやる方は自然と鉢数も多くなる傾向があるので、掃除するにも一苦労かと思います。
長いこと苔を茂らせておくと、土の中の状態が悪くなります。極端に乾けば灌水を表面が弾くようになったり、また多くは水が残りやすくなって、鉢の中の空気の供給が滞り、根の呼吸がうまくいかなくなります。根は水に溶け込んだ空気を水と一緒に吸収して酸素を取り入れているので、乾き過ぎても、水が滞っていても呼吸がうまくいかんのです。
長く悪い状態が続くと鉢内の根が死んできますが、案外多いのが、それでも表面の苔の中に新しい根を伸ばしていること。残された力で酸素を取り入れやすい地表近くに根を伸ばしているのでしょうか。いずれにしても、こうなる頃には地上部の成長が落ちていることがほとんどかと思います。
ここで勢い良く苔掃除などして、ギリギリのところで伸ばした根を苔ごと抜き取ってしまうと、これから気温が下がり活性の下がる一方の秋ではそのまま枯らしてしまうことに。
先日T屋さんもそんなお話をしていました。
なので苔掃除の時は、同時に樹の状態、根の状態に注意しています。
しかしながら、あっちこっちで苔だらけ。そして、大切な秋の肥料もやらなくては。地味な作業が続きます。
ちなみに今年、うちの棚では写真の草が大量に繁殖してしまっています。先端にタネの入ったサヤを作ります。
引っこ抜いていると、時々サヤが弾けてタネが飛び散り顔面に当たります。けっこうイラッとします。
ご丁寧にアブラムシまでついていました。頭にきたので草ごと食べてしまいました。危ない奴がいるとアブラムシもびびって、しばらくはうちの棚には寄り付かないでしょう。
ま、じっくりと退屈で大切な作業を進めていきましょう。
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