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戦慄の片根

 確か2年前の春のことです。地元では「イグリアーノ・パッチマン」という愛称で親しまれている井草八幡の境内に生えていた芽を、それが何の芽だかもわからずに持ち帰ったのです。

トウカエデ.jpg

 何の芽だかわかるでしょうか?これ、トウカエデでした。境内のどこにトウカエデがあるのかはわかりませんが、きっとどこかから流れ着いたのでしょう。こうして、この木が私の持ったトウカエデ第1号になったのです。

 1年しっかり管理して、最初の植え替えの際、初めてこの木の根を見たのですが、これがなんともきれいに八方に細かい根が広がっていて、じつに先が楽しみな奴だったのです。

 そんな折、木が柔らかいうちに針金をかけて立ち上がりにひとつ曲をつけておこうとしたわけなんです。そうです、わくわくしていたんです。まだ盆栽をはじめたばかりの頃ですから、針金を持つだけで興奮して頬がうっすら紅色です。

 しかし、その未熟さゆえに針金を効かせずに絞めてしまい、そのまま針金で樹皮をベロリとめくってしまい、刃物を使わずに環状剝皮してしまったんですね....頭から血の気が引くのを感じました。

 追い込まれた私は、このまま枯れても困るので、こうなったら取り木しちゃえ!と、樹皮がむけた部分を削り直し、そのまま土に埋めて管理しました。

 それから数カ月が過ぎ、1本だけですが発根を確認できたので切り離し、もっと根が生えてきますようにと祈って鉢に植え直しました。

 それがどうでしょう。

2010_0301_195513-DSCF8729.JPG

 ひたすら片根の極太の1本です。根っこをさばく際にバッサリ切ってしまいましたが、幹よりも太い根が1本です。自分が嫌いになりそうです。

 もうどうしたらいいのかわからず、しばらく考えた末、今度は針金でなく、刃物で環状剥皮です。

2010_0301_200604-DSCF8733.JPG

 取り木するのなら、ここまで根を切り詰めなくてもよかったのに、と後悔しながら、今度はそのまま土に埋めないでミズゴケで傷を覆ってビニールを巻いて埋めました。

2010_0301_202642-DSCF8739.JPG

 こんなことして、この木は生きていけるのでしょうか....私はダメな奴です。木もいい迷惑です。恥をしのんでこの失敗、告白いたします。


タグ:トウカエデ
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