自分の飾りについての思い出(し笑い)
支部展が終わり、もう2週間も経ってしまいました。
今は来月の一木一草話のイベントに向けた鉢作りに追われていますので余裕もあまりなく、皆さんの展示写真はしずかさんとタカヒロさんのブログにておたのしみください。
私は会期中、会場係だったり、カメラを忘れる日があったりで・・・まともな写真もありませんし。
てへ。
それでも、自分の展示裏話くらいは書いておこうと、重い腰をあげます。
山が動きますよ~笑。
あ、そんなわけで、タカヒロさん、妹のほうさん、お写真をお借りいたします笑。
ええとですね、今年もまた飾れる松柏がありませんでした笑。
私はいつまでこんなこと言っているのかと呆れますが、あと3年もすれば多少できてくるのではないかと勝手に思っています。
なので今年は主木に青つづらふじを使いました。
今年はオス木の調子が良く、花の咲いたほとんどの鉢に実が付きました。
鉢はてる子鉢。
T屋さんが手放したものをお店で偶然手に入れたんですよね。
昔、まだ飾られることのなかった青つづらふじという樹種をご自身で研究して小品盆栽にしたというT屋さんへの「リスペクト盆栽」と呼べる一鉢なのである。
(そういえば、関係ありませんが、T屋さんご自身のリスペクト盆栽は、是好さんのひょうちゃん鉢に杉本佐七性の台湾荻でしたよ)
さて、支部展のように早い時期の展示会における難しさでもあるのですが、実が、てっぺんのほうしか色付かず、その点は少し残念でしたが、今回の飾りで見所にしたかったのは、そのツルの動きだったので、ま、良しとします。
そう、今回はとにかく、このツルの動きを見所に、それをどう活かすかでちょっと工夫しました。
実からツルへと視点を移動させて、その先にはぷっくらとした溜まり石。
そんな視点の移動がたのしめるように考えながら、お池に枝垂れる青つづらふじのイメージで遊んでみました。
あくまでもツルの先端を際立たせたく思い、高卓から、溜まり石の乗る大きな地板の上へ着地させました。
ちなみに、高卓を地板に載せなかったのは、例えばこちらの盆栽シーンでは地板の上にさらに卓を載せるような重複をくどいと嫌う考えがあったりするのですが、今回それにのっとったというわけでもなく・・・ツルの先をより際立たせようという目的です。
繊細な感覚をお持ちの才能溢れる方には写真からでもこんな私の思いがしっかり届いたようで嬉しい限りですが、「地板に乗らなかっただけでしょ」などと言っている某わたなべ君に至っては、まこと先生、がっかりです。
まこテスト落第です、まったく。
そして、あと、ちょっとだけ小さな事を試してみたのです。
例えば木の枝を、幹の前を横切って作ったりしないように、普通、飾を前後に被らせて配置ってしないと思うのですが、今回、高卓と地板でそれをやってみたのですね。
結果、自分ではそれに違和感は感じませんでした。
では人が見てどう感じるのかが気になって、そのまま試してみたのですが、どなたからもご指摘を受けることはありませんでしたから、これはこれで「あり」だったのだろうと思っています。
器の小さい人間が、小さく、つまらないことが気になってそれを試したというだけの話ですよ笑。
それで、添えですね・・・
支部展のリハーサルには石を入れて5点飾りになるように準備していきました。
A藤さんにアドバイスを求めると、余計なものは外して、もっと主役を活かすべきという内容のお言葉をいただき、私としてもいつも5点飾りが多いので、今回は少しその枠から出たいという気持ちもあったりしていたのですが、それから本番までの1カ月、それこそ布団の中で目を閉じると樹が頭に浮かんできてしまうほどA藤さんの言葉には悩まされました笑。
最終的に、リハーサルより1鉢減らして、石を入れて4点の飾り。
縁起が悪いと敬遠される数ですが、8月で40歳を迎えた私には、「4」つながりでグッドタイミングな点数ですし笑。
でも、一番悩んだのは、添えの木と草を配する位置です。
つたうるし。
箱根の性ですね。
今回この木を配する位置にものすごく悩んだのです。
この木を主木に近付けると全景がまとまってくれますが、離すと主木が際立ちます。
ところでこの木は私の初めての展示会参加の際、つまり、3年前の支部展で飾った樹です。
一度、冬に枝のほとんどが枝枯れしましたが、その後新しい芽が育ち、結果今の姿の方が良くなりました。
↓2011年の姿
それで、草はアキノキリンソウときたもんだ。
悩んだだけの収穫は自分の中に感覚として残った気がしますし、あっさりした飾りの中にさりげなく遊びを入れることもしました。
そろそろ賄い料理組から懐石料理組へ進級できるでしょうか笑?
搬出が終わった後の食事会で、A藤さんが、今回一番悩んだのはまことさんだろうと言い、自分もそうやって先輩から散々悩まされてやってきたんだ、ざまあみろ、というネタばらしを愉快そうに話してくれました。
意地悪~!!笑。
でもね、私の前ではついに褒めていただけませんでしたが、さんざん主木を活かせと言ってくれたのも、それに値するだけの雰囲気のあるものだったからだと、勝手に解釈させていただいていますし、会期中、私のいないところでちゃんと褒めてくれていたというお話も、とある方から聞きましたし、どうです?親と子ほどの年の差のこんな関係、うらやましいでしょ?
「皆さんのソウルには何が残りましたか?」