削ってやる! ~コブシの取り木
桜とほぼ同じ頃でしょうか、3月下旬に白い花を葉の出ていない枝にたくさん咲かせるコブシの木が好きで、
数年前に盆栽展の即売で買った素材がうちにあるのですが、枝をぐんぐん伸ばすばかりで花もまだ咲かず、その他もろもろ私の手に負えないヤツで、どうしたら良いものか困っていました。去年、そのコブシは取り木に失敗したので、今年また再チャレンジです。
幹のボコボコしているのは、去年環状に樹皮を削ったものの、発根せずにカルスでまた覆われてしまったところです。ここをまたナイフできれいに削り直します。
そしてここに、しばらく水を吸わせて軽くしぼったミズゴケをあててビニールで覆って縛っておきます。
このまま乾かさないようにして数か月待ちます。今年はしっかり根っこが生えてきますように。
しかしですね・・・やっぱりコブシは大きめに育てないとキツイのでしょうか。葉っぱも大きくなるし、枝もグングン伸びるし、かといって元気な時期に剪定すると傷口が樹液でこんもりとなってビビってしまいます。なんだかものすごい生命力なのです。
私たちのまわりの花木の先祖をたどっていくと、たいていはこのコブシの仲間(マグノリア)に行き着いてしまうそうです。なんでも1億年以上前から今とあまり変わらない姿で存在していたことが、化石からわかっているそうです。しっかり環状剝皮したのにふさがってしまったのも、その生命力ゆえなのでしょう。
自然を手なずけようとして逆に振り回されているかのようなこの私の姿はとても愚かに感じますが、それだけでは帰結しない気持ちが私をふたたび盆栽へと向かわせます。
次はお前だ!削ってやる!
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