私はウソをついたことがありません。
「.....まことさん、あの、苦しいっす。なんか、胃のあたりが、なんか苦しいっす...」
私にとって、木の声が聞こえてくるのは、ごく当たり前のことなので、さして驚きもせず、やりかけのロデオマシーンの修理の手を止めて、「どれどれ..」と声の主を探してみると、去年買って来た香丁木でした。植え替えついでに土の中を調べてみますと、ネットが根の生え際のところにがっつり挟まって、根を圧迫していました。
鉢底から随分浮いた形ではまり込んでいましたが、どういうことなのでしょうか。根っこも育ちが悪いようです。
香丁木と書いてあるのを買ったのですが、うちの他の香丁木と比べて葉が大きいようです。違う木なのでしょうか。私がマスターした香丁木語も、ところどころ伝わりません。
根をほぐしてみると、長い太根がほとんどでした。この状態で切り詰めてもかわいそうなので、少し切るだけにして、また元のように丸めこんでおきました。素焼鉢に入れておいてあげたいところですが、本人が「いや、まことさん、まだやれるっす」と、弱りながらも微笑でその目を輝かせていうので、その心意気を汲んで釉の小鉢におさめてみました。
植え替えもだいぶ進み、ちょうどいい鉢を選ぶだけの鉢数がなくなってきたので、色は選べませんでしたが、この形はまぁ、案外ありかな?と選んでみました。去年の大晦日はこの鉢を削りながら年を越しました。しっかりとした足に、今年の自分の1年こうでありますようにという希望を託してみたわけですが、出来上がったあとで冷静に見て、「こんなの使いにくいだろうに....」ともらしてしまった鉢です。それに、よく考えれば、今の私にはしっかり立つよりも、あちこち動き回る方がためになる気がしますし。実際そんな風になっています。
剪定をして、樹形も少しいじくりたいのですが、花芽らしきものもついていますので、また花が終わる頃にでもしておけば良いでしょうか。とりあえず、君、少し休んだ方がいいぞ。
コメント 0