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痛かった週末

 毎年のことですが、11月のこの週末はお祭り騒ぎです。

 しかし今年は数日前から急に親知らずが痛み出して、その痛みが土曜の夜まで続き、夜ごとバーボンをラッパ飲みしながらリルケの詩集を片手に神田の古書店街をねり歩き、乱暴なチンピラどもと喧嘩ばかりしているタフガイの私ですが、痛みで眠ることもできず、さすがにちょっときつかったです。

 あまりの痛さに医者に行って気付いたのですが、生まれて初めて親知らずが痛み病院に行ったのが今年の3月。

 そして今回。

 どちらも鉢の納期です・・・

 私の親知らずが痛むのは、そこに雑菌が入り込んで腫れるからなのだそうですが、雑菌は普段から入り込んでいるもので、ただ、体調や、ストレスで免疫が弱ると雑菌に負けてしまい腫れて痛むのだそうです。

 病にむしばまれながらも鉢を作り続ける自分にほれてしまいそうです。

 極限状態でしか作り得ない鉢、それが「善福寺」鉢なのです。

 やだやだ。

 健康一番。

 そんな状態でしたが、土曜日、どうにか歯をくいしばって、ま、歯をくいしばると余計に痛いのですが、午前中に東芳会(日本小品盆栽協会武蔵野北支部)、午後に中野清香会、そしてその後、先日鉢を納品したばかりですが一木一草話に行ってきました。

 というのも、お陰さまで納品の日の段階でだいぶ売れて、残っている品物が偏っていそうだったからです。

 なので青磁の六角と丸を急遽焼いて追加しておきました。

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 六角の薄い青の青磁と丸の天目の釉の評判が良いです。

 雰囲気が良いので自分で使う用に残しておいた青磁も、腹を空かせた野犬のような目をした人に、その場で肉を噛み切るように持って行かれてしまいました。

 この人は、いつも私が気に入って自分で使おうと取っておいている鉢に目を付けて奪っていきます。

 記事にした鬼面+おじさん面の、やはり薄い色合いの青磁も、惜しかったのですが結局最初の納品に入れました。

 でも、お店で値札付けをしている最中、まだお店に並べる前に、その場に居合わせたお客さんに気に入っていただき、お買い上げいただきました。

 自分で使いたかったと今でも思いますが、でも、作る人間にとって、気に入ってくれて大切に使ってくれそうな人のもとへ渡って行くことは一番の喜びだと思います。

 ただ、あんな気持ち悪いおじさんの顔を彫った鉢がすぐに売れていく世の中は間違っていると思います。←?

 水盤も2枚出しましたが、完売しました。

 女将の話ですと、最初の一枚は小鉢の収集に熱心な水石の愛好家さんでもある方だそうで、私としては、水盤作りは初めてですし、そんな方に引き取っていただけ、褒めてくださったそうで、ちょっと自信が持てました。

 もう1枚は私の宿敵タイヨウ君のもとへ。

 あの生意気な小僧だけは絶対に許せません。

 弱味を握っていつか仕返しをしてやろうと、水盤の裏にこっそりと盗聴器をしかけておきました。

 どの程度欲しい人がいるのかわかりませんが、このサイズの水盤にどういう要素が望まれているのかをまわりの先輩から助言いただいて、またこれからも作っていこうと思います。

 話はそれましたが、前日歯痛でほとんど眠れず、医者から処方された3日分の痛み止めを1日で飲み尽くしての展示会まわり。

 東芳会、清香会、共にそれぞれの魅力があり、あちこち展示会をまわっている中でも私のお気に入りの展示会。

 やっぱり良かったです。

 親知らずが痛くても、痛くもかゆくもありませんでした。

 ま、痛かったけど。

 東芳会には私の属する日本小品盆栽協会の会長であるお絵描き教授がいらっしゃって、いつもよくしていただいていますが、いやいや、会長のくせにまたご乱心です。←警告

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  表記に「煉瓦絵」とありますが、どこぞの煉瓦に滝の景色を描いて飾っています。

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 会長は美術大学の教授さんなんです。

 私は、あまり「自分で作りました感」が強い飾りにはひいてしまうことの多い性格なのですが、会長のこれは大好きです。

 なぜでしょうか。

 これが恋というのでしょうか。

 地板は釘を打った跡の残る板でした。

 おそらくどこかの家の雨戸でも、夜中に忍び込んでひっぺがして盗んで来たのでしょう。←注意

 朝起きたら奥さんが、

 「お父さん!うちの雨戸が!!」

 みたいな。

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 このスケルトンの地板、欲しい!

 私も竹の枠に木がはめてある地板を持っているのですが、こういうのもあるのですね~

 欲しい!欲しい!欲しい!

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 しっかり作られているのです。

 この会には、いよいよご乱心の会長(←退場)はじめ面白いベテランさんがいらっしゃって、私は入会したての頃からお世話になっています。

 そして実は、東京支部に入会する前、私がこのブログを始めたキッカケにもこの会の存在は関わっているんですけど、その話はあの世に行くまで内に秘めておきます。

 ちょこっとだけ書くだけのはずが長くなってしまったので、清香会の展示会のお話はまた今度にしますが、どこの馬の骨だかもわからないたくさんの方々にお会いできて、痛くてもたのしい時間が過ごせました。

 人間って面倒臭いけど、悪くはないね。←妖怪?


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