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会長VS先輩

 昨日は日本小品盆栽協会の本部の交換会があったので、上野まで行ってきました。

 その思い出といえば、とにもかくにもただひとつ。

 T屋さんの真柏が出ていたことです。

 2鉢出ていたうちのひとつが、以前もここに書いていましたが、以前一度飾られているのを見た瞬間、私の真柏嫌いを吹き飛ばしてしまった程に、私にとって衝撃の真柏だったのです。

 いかにも小品の真柏盆栽、という感じにきっちりと作られた風の樹姿ではなく、でもすごい存在感。

 なんともいえない強いオーラが・・・その樹を見ているとそのバイブレーションに引き込まれてしまうのです。

 人の価値観を、頭を殴られるかのような衝撃で変えてしまう出会いって、ありますよね。

 

 少し考えて、ここで逃して業者さんの手に渡ってしまったら、もうこの樹を見ることはできなくなると思ったらとても寂しくなって、その日はもう、その真柏の一点張りでいくことに決めました。

 そして戦いの時がきました。

 最初からある程度の額まで行くのは間違いなかったので、刻みのマコと呼ばれ各界から恐れられている私ではありますが、今日という日はそんな戦いは通用する訳もないので、始めから勢い良く行きました。

 最後は誰かと1対1状態でしたが、ついに、このままいったら家に帰れなくなるところまで来てしまい、諦めました。

 最後まで競っていた相手が誰なのか見えずに競っていましたが、それが終わってから知ってみれば、相手は先日ポルトガル旅行を楽しんで来たという日本小品盆栽協会の会長さん。

 松平伯爵の樹を飾る美術大学の教授さんと、500円の樹を主木で飾る人間が、同じ土俵で競り合っていたわけですね笑。

 気が付けば、まわりの皆さんから、よくがんばったと、一体何人の人に言われたことでしょう。

 会長には、

 「お前、なかなかいいパンチ持ってるじゃん」

 と言っておきました。(←当然言ってない)

 会長VS先輩。

 私の記憶にも焼き付きました。

  

 私はそれが終わるとグッタリしてしまい、結局その日は何も買わずに帰りましたが、やっぱりこれはこれで良い結果なのかも知れませんね。

 どこに行ったかわからなくなるより、知っている人、それがうちの会のやさしい会長さんのところなのですから、なんだか救われます。

 時々またどこかの展示会で見せていただけるかな?

 そして、それとは別に、T屋さんが交換会に鉢や樹を出す度に、私は必ずベテランさん達が隅で、

 「丁寧に持ち込まれていて良い時代がついている」

 という言葉をもらしているのを耳にします。

 今回もそうでした。

 私もそんな風に言われるようになりたいと、それを聞くといつも思います。


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