朱泥焼成第1弾の結果
乾燥の済んだ朱泥を10枚ほど、いったん焼いてみました。
今回はかなりゆっくり、20時間近くかけての焼成です。
結果、7枚はどうにか使えるものになりました。
チームBになってしまったものも、焼成の失敗というより成形、乾燥段階のミスが表れたものですので、自分的に手応えのある焼成だったと思っています。
焼く前は、ボチボチのが2~3枚できれば良いかな?くらいに考えていましたので。
電気窯での焼成はガスなどの燃料で焼くより、やはりちょっと格下に思われてしまいますが、特に焼き締めともなれば良いものを焼くのは難しいと言われますし、実際、その辺の陶芸用品店の朱泥をガスで焼いてもらうと、いくつかはボチボチに焼き上がりましたが、電気窯で焼くと、なかなか良い感じに焼けてくれません。
でも、一度手を付けた窯ですし、どこまでやれるかとことん試したい気持ちと、溢れんばかりの才能をもってすれば電気でもここまで出来るのだよと、皆をギャフンと言わせたい気持ちとで、焼き締めに取り組んでいます。
今使っている朱泥は去年見付けたものですが、電気窯でも自分で納得のいく焼きあがりになってくれて、樹を入れるとけっこう映えるんです。
なので、扱いの難しい粘土ですが、どうにか自分のものにしたいのです。
田んぼから掘り出して細かい目にしたというこの粘土は、おそらく急須を作る等、削り出すためのものではなくロクロで引いて使うものなのでしょう。
でも、この難しい粘土を削り出すことに奮闘して、改めて自分の成形の仕方を見直す良い機会となっています。
成形中に切れるわ、乾燥中に歪むわ、焼いたらさらに歪むわで、ここしばらくずっと、そうならない、なりにくいだろう方法を試行錯誤してきました。
結果、今のところまだ全てを克服できるには至っていませんが、今回の焼成で、その手応えと、これから更に何を試せば良いのかがわかってきています。
さすがだなあと思うのが、ぬるま湯からえっちらおっちら抜けだして、シビアな粘土での制作の中、改善するために自分のやり慣れた方法から離れてもっと良い方法を考えると、壱興さんや春嘉さんといったプロの成形方法や手順が答えになる理由を持っていたりするんですよね。
いずれ授業料を払わないと・・・どんぐりで。
とりあえずまだ道半ばです。
どうにかギリギリ使えるでしょ?くらいのものになってしまいますが、それくらいのができたら一木一草話に年貢として納めさせていただきます。
とりあえず今回焼けたうちのいくつかを。
同じ形で大中小を作りました。
これは私にしては大きめ。
縁の端から端が5.8センチ×5.0センチ×高さ2.2センチ。
縁が少し内側に反ってしまいましたが、この粘土でこの形、この程度の歪みでおさまってくれれば今のところは許していただきましょう。
樹を入れればわからなくなりますし笑、シンプルな形ですので使いやすいと思います。
手の上に乗せるとこんな感じです。
次は中くらい。
同じく4.9センチ×3.8センチ×2.1センチ。
この鉢は朱泥に童仙傍を混ぜていますので、表面がボコボコなっていますが、最後にしっかり磨いているので触るとツルツルです。
ツルツルだけじゃ物足りない筋金入りの渋好みの友達へのバースデイプレゼントに最適です。
そして小。
同じく 4.0センチ×3.2センチ×1.8センチ。
今回の焼成の中の私のお気に入り。
歪みもなく、大きさも私用。
この手の大きさの朱泥の良いものは、私のまわりでもほとんど見掛けません。
だから自分で作ろうとしているのですけど、さようなら、女将の元へ・・・
女将に頼まれていなければ絶対に自分で使っています。
ついでにもうひとつ。
さらに小さいもの。
同じく、2・0センチ×1.9センチ×1.2センチ。
さすがにこの大きさとなると使える人も限られ、あまり欲しいという方もいませんし、自分で使うにも小さ過ぎます。
でも、出来はなかなか良いのです。
なので小さい樹が大好きな方に差し上げようかと思っています。
さあさあ、成形を続けなくては。