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第59回 清香会小品盆栽展は眠らない

 第59回清香会小品盆栽展に行ってきました。

 あいにくの悪天候でしたが、あちこちからのお客さんがいらしていたようで、会場内はホットににぎわっていました。

 いつも思いますが、このお座敷という環境が、例えば会の方から何か展示についてお話をお伺いする際にも、腰を下ろした安定感のある姿勢で、間近の展示品を介して伺えるため、とても良いのです。

 以前教わりましたが、盆栽の展示、陳列というのは、床の間にいろいろなお道具を飾るところから来ていて、その流れから、お座敷で見るのが本来の姿なんですってね。

 下には青い絨毯みたいなもの(なんと言う名前かまた忘れてしまった・・・)を敷いて、そして後ろの何とか屏風(こちらも名前を忘れてしまった・・・)、これが良いですね。

 展示がシャキッとキラキラして見えて、その世界に引き込まれます。
 きっと視界を狭め、物を際立たせる効果があるのではないかしら。

 この会の方の展示は、樹はもちろん素晴らしいのですが、面白い添配などを使った遊びや景色作りにも特徴があるようで、これもひとつのこの地方の伝統のようです。

 入口の席では飾りと共にご挨拶。

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 一番高い所に、雲海の上に突き出た山の頂・・・素敵です。

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 麓には民家が並び、町には人力車のご婦人。

 会場に、盗人がいたようです。

 盗まれたのは、樹でも鉢でもなし。

 この席が皆さんの心を奪ったようです(←ルパン三世風)。

 私は時代のスピード感についていけていない感があり、もう会場を訪れた皆さんがいろいろとご紹介していますので、展示の様子はそちらのほうをご覧いただくとして、私はちょっとつまらないことを記事にします。 

 私、小品盆栽をやっていて、盆栽以外のことでも多くの知らないことに出会うのです。  

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 例えば、この道祖神。

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 よく展示で見かけるこの仲良しカップル、一体何なんだろうと思っていました。

 今回それを知るまでは、ただの仲良しさんかと思っていましたよ。

 表記には「道祖神」と。

 しかしながら私、道祖神とお地蔵様がごっちゃになってまして、道祖神と言われても、何故カップル?と、頭の上に???が浮かんで止みません。

 なので今回、この道祖神というものについて調べてみました。

 そうしたら、これは神様のカップル、というか夫婦で、昔は村の外れに結界の守護神としてあって、悪い霊がそこを通って村へ入ろうとすると、二人の愛を邪魔するな!とばかりに霊を突き飛ばしてくれるという信仰のようで、日本のあちこちにあるようです。

 ネット上で写真を見ると、どれもかなりの仲良し夫婦。
 なるほどなるほど、うん、なるほど、そういうことだったのですね。

 ということは、この道祖神が展示にあれば、村の外れや、また、ちょっと寂しい景色などを思い浮かべてイメージする、ということで良いのでしょうか。

 さらに自分の無知さ加減を知った六体のお地蔵さん。

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 展示者のSさんに六地蔵だと教わりはしたものの、それがどういうものなのかわからんのです。

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 何故6体?

 それはどういうもの? 

 なのでこれもこっそり調べておきました。

 六地蔵というのは、仏教には、全ての生命は6種の世界(地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人道、天道)に生まれ変わりを繰り返すという六道輪廻という思想があり、その6種の世界のそれぞれを6種の地蔵菩薩が救うという説から生まれたもので、主に他界への旅立ちの場である葬儀場や墓地に多く建てられたそうですが、先の道祖神信仰と結びつき、町や村のはずれにて、結界の守護神として建てられることも多かった、とのこと。

 ちなみにお地蔵さんはサンスクリットでクシティ・ガルバ。
 クシティは大地。
 ガルバは胎内、子宮。

 その名はこれを意訳したもので、大地が全ての命を育む力を蔵するように、苦悩の人々をその無限の大慈悲の心で包み込み、救ってくださるんですって。

 私もあなたも包まれているのです。

 ああ、ありがたや、ありがたや。

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 A藤会長のこの桜の樹は何とかという(あぁ、名前が覚えられないものばかり・・・)伝統工芸なのだそうですよ。
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 羅漢さん、花見の姿 with  真柏。

 ところで、羅漢さんて?
 ふぅ~、また調べないと。

 小品盆栽を園芸という面だけでなく、展示を含めて勉強していくと、本当にいろいろな別の分野とつながっていて、とにかく自分が言葉は知っていてもその実体を理解していないもの、あるいはその言葉すら知らないものとたくさん出会います。

 ただ樹や鉢を作れるようになるだけでは半人前のパンダですね。

 せっかくこういう世界で楽しんでいるのですから、少しずつでも知っていきたいです。
 そうしたらもっと楽しめる場面が増えそう。

 

 清香会の展示会は、いつも勉強になります。
 今回も私の頭から煙が出て、配線が焦げる臭いがしっ放しでした。
 これが癖になります。

 会場にてお話いただいた皆さん、ありがとうございました。
 

 そして若さ溢れる盆栽好き集団ご一行は、雨にも風にも負けずに、次なる豆の巡礼地、一木一草話へはしごするのでした。


タグ:清香会

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