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ひたすら粘土を磨くことで極楽浄土へ行けるという仏教の一派

 またつまらぬものを斬ってしまった。 

 じゃなかった、また小さ過ぎるものを作ってしまいました。 

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 焼き締めは小さ過ぎるとなかなか使えません。

 入れられる樹もかなり限定されてきますし、樹があっても、いざ良くなって飾ろうとしても、それより小さい添えを用意するのがまた大変。 

 乾燥させ、焼成して、ここからさらに2割は縮むので、焼き上がる頃には相当、皆から望まれない焼き締めになると思います。

 しかしついつい、作業中に出た粘土のカケラで作ってしまいました。 

 最近はずっと朱泥の成形が続いています。

 面倒臭いのが、磨く作業。

 朱泥は緩い成形で作っても面白くなりませんし、ある程度きっちり作って、そうなると、表面をツルツルに磨かないとイマイチの仕上がりになってしまうんです。

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 これも余ったカケラで作り始めた小さい鉢。

 ここから粘土の表面をならして磨いています。

 成形時に表面をならして磨く際の道具は私、いろいろアドバイスをいただいて試してきましたが、今までの手応えとしては、結局自分で使い始めたマドラーやスプーン、針などが一番しっくりきています。

 少しゆるく磨くだけで良い時はまた別のものを使ったりします。

 この大きさで、面倒臭いことに細い胴紐があるこんな鉢・・・どんな道具を使って磨こうか考えましたが、成形時の磨きは針を使うことにしました。

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 磨いていくと、粘土が光を反射しだします。

 この後、もう一度磨くタイミングがあります。

 最近はこんな胴紐の付いたものを作っていますが、磨くのにとても気を使います。

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 今作っているのはこの辺のサイズが多いでしょうか。

 こうやって基本の形を削り出した後、更に削ったり、磨いたり、あくびをしたり、コーヒーを飲んだり、伸びをしたり、潅水をしたり、そうこうしているうちに、気が付くとこんな感じになっています。

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 この朱泥は、私が今まで扱った中で一番扱いにくい粘土ですが、うまく焼けるととても良い感じになります。

 しかし、乾燥、焼成の過程でどんどん歪んでいきます。

 先輩から教わったジャックナイフ香山さんの乾燥の仕方を参考にして自分なりに考え、ある程度の水分を残した状態で成形を終えられるように成形を早く終わらせ、ラップで包み、重しを載せて、かなりゆっくり乾燥させることで乾燥中の歪みはある程度抑えられるようになった感はありますが、課題は焼成中の歪みです。

 

 私が鉢作りを始めるきっかけを作ってくれ、最初に鉢作りの基本を教えてくれた一蒼さんは独学だったそうです。

 教わる際は、私が自宅で成形したものを伊豆に送ったり、一蒼さんが東京に来た際に手渡したりして焼いてもらい、ここはこうした方が良いとか、成形、釉掛け、焼成に関するエピソードをうかがったりだとか、そんな話の中からヒントを探る感じで、わからないことがあったら聞いてと言っていただける一方で、まわりの人にたくさん見てもらって教わりなさいとよく言われました。

 自分もそうやってやってきたし、また、ひとりの人ばかりに教わっていても作るものが似てきてしまうから、なんてことも言われましたっけ。

 そういった意味で、私はかなり自由にやらせていただきましたし、また、自分で勉強するという面では、鉢作りに詳しい先輩や、いろいろと良い鉢を見せてくれる先輩も身近にいて、良い環境にいることができたみたいで、最近では、実際に鉢を作ってきた先輩や、作らなくても良い鉢をたくさん見て来た先輩に、少し認めていただけるようになってきて、そんな時はとても嬉しくなります。

 でも、やはりまだ基本的なことで出来てないことも多いです。

 今成形している鉢は10月の一木一草話のイベントに出す予定のものですが、もしも9月の東京支部展までにいくつか焼き上がるものがあったら、また一蒼さんに出来を見てもらいたいです。


タグ:鉢作り

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