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最近焼いた鉢群 3






イスラムの幾何学文様を思わせる、とても興味深い染付けの写真に出会い、一体これはどうやって描いたのかと考えるうちに、気が付いたらアレンジして自分の鉢に描いていました。
アレンジしたと言うと聞こえが良いですが、実際のところは、大きな焼き物に描かれたものを小さな 鉢に細かく描き切るのができずに誤魔化した、ということですね。
それはいいとして、非常に面白い文様だと、描いていて思いました。
側面にはドクロを。
ちょっと変わった鉢になったので、できることなら100年ほど割られることなく使われて、その時代の盆栽人の感想を聞いてみたいところです。



今年の超ミニスカート&盆栽鉢同好会のweb展示会で使った鉢とほぼ同じデザインで、若干それより小さめの鉢を焼きました。
会の先輩が持つ伊万里が欲しくて似せたものを作ったものの、そのまま真似ては、呉須の発色も、雰囲気も、本物に敵うはずはないので、文様の梅の部分に代えて、ドクロを入れたのでした。
ふざけた鉢だと手にとって笑っていただければ私としても満足ですが、それが全てな訳でもないんです。
自分的には、アニメで有名な一休さんのモデルとなったリアルの一休さんが、竿の先にしゃれこうべをぶら下げて正月の京都の町を歩き、「門松は冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」と詠んだとされる逸話や、ヨーロッパにあるメメントモリの話から発想したのです。
だからこの鉢は、新春の飾りに使うのが似つかわしいかと、まずは思っているのです。
次に、ちょっとくだけて、夏の納涼展示でしょうか笑?
ひゅ~~
どろどろどろ…

さすがだと思ったのが、先に書いた、この鉢の本物の伊万里のほうの持ち主の会の先輩のK谷さん。
私のふざけたようなパクりドクロ鉢(←おい)を見ていただきながら、どんな風に使って飾るかで談笑していたら、一休の逸話をもとに使えばいいと、普通に言っていただきました。
やっぱり、教養のあるかたは違います。

かといって、ドクロというのはやはり爆発力のある絵柄ですので、ここぞというタイミングで、それなりの意図をもって飾らないと軽薄になりますね。

展示会での出番がまわって来にくい、使い勝手を限定される絵柄の鉢は嫌われる傾向がありますが、当たり障りのないものばかり集めたって面白くありません。
販売用とは別に自分用のものを手元に残しますが、どう飾るか、もう発想があります。
さて、この鉢は売れ残るのか、どなたかのもとへ旅立つのか、そしてどう飾られるのか…

最近焼いた鉢群 2


辰砂

鶏血の赤を全面に出すと、焼き上がりはとても満足感がありますが、いざ使おうとすると、私の樹には、かすれたような発色の赤のほうが似合うことが多いです。


織部

私は筋状に流れる織部釉を使っていますが、釉の厚みや温度の調整によって焼き上がりにかなり差がつき、それをこんな小さな鉢に使っているわけですから、まだまだ薄過ぎ、流れ過ぎの失敗も多く、難しい釉薬を選んだなとは思ったりしますが、動きのない焼き上がりの織部の緑は、ちょっと退屈。
慣れていこうと思います。

この鉢は口をかなりすぼめてあるので、樹を植えようとすると根張りがぶつかってかなり使いにくいと思います。
私は草用に使うことをおすすめします。
例えば、私は焼く前から書帯草を考えていましたが、そのように上方向に細い歯が広がる草。
染付けの青と白が涼しげですから、細い葉の草で夏の飾りなど、きっと似合うと思います。
また、口がすぼまった鉢は草を育てるのに適しているのではと感じる所もあります。
ちょうど、コンクリートの隙間に小さな草が生えるような。
草も長く持ち込んでこそですが、私の感覚では、口が多少すぼまった鉢のほうが、草はしぶとく生きてくれます。
植え替えるにしても、樹のように、根が木質化するわけでもありませんし。
そんな訳で、草を植えるべく、この鉢には編み編みの文様を染付けしておきました。
カゴのイメージと共に、ひなびた印象を狙ったわけです。


「口のすぼまった鉢は使えない」と一つ覚えの大馬鹿どもよ、このまこっち様のハイセンスな鉢を見た日には、口をすぼめて口笛吹きやがれ!

ひゅ~~

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