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見よ、あれが七輪の灯だ!

 先月末に2回目となる七輪での焼成を試みました。

 自宅ではできませんので、電車とバスを乗り継いで、実家での焼成。

 そうそう頻繁にはいきませんので、ついついふざけた遊びも放りこんでしまい、結果、それが原因でひどい目に遭いました。

 自らの欲を七輪にたしなめられたのである。

 まずひとつめの失敗がこの鞍馬石風のものを一緒に入れたこと。

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 焼いたらどうなるのかな?などと思い放りこんでみたら、焼成後、消えていました。

 もう帰って来るつもりはないようです。

 溶けちゃうなんて・・・

 そして、あとひとつ、陶板に灰を塗って細い銅線をグルグルと巻いたものも放りこんでおいたのです。

 なんでそんなことしたんですかね。

 銅が溶けて、一部が鉢にへばりついてしまいました。

 溶けた銅を全身で受け止めてくれたのが、先日の薄い長方。

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 この面(鉢裏)が・・・

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 落款が見えなくなりました。

 この時、自分って相変わらずワイルドだなぁ、と思いました。

 でも、心配だった歪みは、一応自分なりに考えた方法が効を奏したのかそれほどでもなく、鉢裏の付着物さえ取り除けば自分で使う分には良い鉢の部類に出来上がっていました。

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 足を地につけても全然ガタガタしませんし、反りも本当、極わずか。

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 ↓

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 この固まった銅と思しきもの、鉄のヤスリでもなかなか削れてくれず、相当苦労しましたが、ついに落款が現れる前にギブアップいたしました。

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 でも、良い出来ではないでしょうか。

 私は気に入っています。

 七輪の底の方でしっかり3時間炭火に全面から抱かれ弄ばれたので、しっかり焼き締まっているようです。

 焼き来上がりから、いきなり古さのような貫録があり、全国の隠れ渋好みの方々にとってもたまらない一品・・・?

 ちなみに、私はもうドライヤーは諦めました。

 音が近所に響くのを気にします。

 なので今回、事前に母に電話をして、あの、ビーチボールとか家庭用ビニールプールを膨らます、昭和の名器、黄色と青の空気ポンプを依頼いたしました。

 まさか無いよね、などと話してみたら、物置にあるよ、ですって笑。

 で当日、玄関に用意されていたビニール袋の中からそれ取り出し、早速試し踏みしてみたら、なんだか笛のような部品が組み込まれていて、踏む度に、

 「ピ~~」

 と、力の抜ける音が響きました。

 こんなの無理無理。

 私の美意識に合いません。

 私の陶芸は、いぶし銀のハードボイルドなのでしゅ。

 もと在った袋にそれを戻すと、もうひとつ何か入っているのに気付きました。

 それは、同じ型でサイズがずっと小さい、直径6、7センチの、色がホワイトを基調にした空気ポンプでした。

 手の平に十分余裕を持っておさまります・・・

 私は悲しくなりました。

 色がホワイトというところに、苛立ちすら感じました。

 試しに手の平で使ってみると、

 「ぱふっ」

 と、垂れ下がった細いホースの先から、ため息のような空気が物憂げに吐き出されました。

 

 その時、危うくこれも七輪に放りこんでしまおうかと思ってしまうほど、こらえようもない孤独が私を襲いました。

 ま、こんなこともあるだろうと、実家へ向かう途中、こんなものを買っておきました。

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 大きなビニールプールやらを膨らますための空気入れ。

 押しても引いても空気が出ます。

 今回はかなり欲張って10個程の小鉢を焼きましたが、場所によっては温度が上がりきらなかったものも数個でました。

 それらはまた今度、再度焼き直そうかと思います。

 しかし、やはり一番の失敗は溶けた銅らしきもの。

 あまり無茶をしてはいけないと、七輪から怒られてしまったようです。

 でもでもそれでも、なかなか良い経験をしたと思える第2回の七輪焼きでした。  

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 電気を使わずにエコ路線を時速100マイルで突っ走ろうと思います。

 

                                           


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