渡辺くんは生きている
先日みさきさんから、壱興さんからの「わたなべ君は元気にしているか?」とのメッセージをいただき、今回はそのわたなべ君にまつわるお話を。
ちなみにわたなべ君というのは去年の秋雅展でみさきさんと壱興さんにお会いした際、壱興さんと一緒の所で買った壱興さんとの兄弟黒松のこと。
丁度先日の東京支部の11月の例会にそのわたなべ君も持って行き、講師に見ていただいたところです。
持って行った理由としましては、何分まだ慣れない黒松という樹種ですので、今年1年の管理がうまく出来ているか、健康か、というところと、これからの方針のご相談。
去年の姿↓
今年の姿↓
葉すかしが終わって枝がよく見えるようになった以外、去年の姿と比べてもたいして変わったように見えませんが、芽切りしたので芽の数はたくさんあります。
講師からそこはOKがでました笑。
とりあえず元気ということでしょう。
そうして今後の方針ですが、私としてはふたつの考えがあって、そこでちょっと迷っていたのです。
芽が吹いて、枝もそれなりに出来そうだったので、上の方の枝で芯を作る方向と、思い切って丈を抑えて一の枝で作っていく方向。
どうしたものかなあ、と。
すると講師は一の枝で芯を立て替える前に、上の方の枝を芯に立て替えて作っていくことを勧めてくれました。
「一の枝作りというのは一番最後。もうこれ、デカくなっちゃって飽きた、という時に」
なるほどなぁ。
私はそんな先のことまで考えれていませんでした。
それでも樹は大きくなっていくのですし、そしてまた相手が黒松ともなりますと長い付き合いになるはず・・・枯らさなければね笑。
今から一の枝で作ってしまったら、それが大きくなったら次の手がなくなってしまいかねない、ということのようです。
ついつい樹を小さくしたがる気持ちを、私よりも全然小さな盆栽を楽しむ講師にたしなめられる・・・ちょっと面白いです。
でもこれは、大きな樹もやりつつも小さな樹に行き着いた講師の言葉。
普通な感じで記事を書いてはいますが、実は私のソウルにこのことは深く突き刺さったのです。
恥ずかしながら、私の感覚には全くなかった考えでした。
渡辺くんは生きている。
私はこの先、まだ若い渡辺くんとは長い付き合いになるはずですので、それなりのたのしみ方をしてあげないといけません。
これは、知識ではなく、経験を学んだ、ということでしょう。
そしていずれは私がそれを実際に経験するのです。
さてさて、ということでうちの渡辺くんはすこぶる元気そうなのですが、先日お会いした人間のほうの渡辺君はすこぶる弱ってげっそりしていまいた。
少しは休まれてお元気になられましたでしょうか。
みさきさん、春になったら油粕でも与えてくださいませ。