第1回新人向け特別課外授業 T屋講師宅にて
なにやらテニスラケットを持った雪だるまの髪型が凶暴であります。
これはT屋さんが中村是好さんに譲っていただいた鉢?醤油入れ?に植えた杉本佐七さんの性の台湾荻だそうです。
日本小品盆栽協会をさかのぼると1963年発会の東京アマチュア小品盆栽愛好会から始まり、杉本佐七さんというのはその会長さんで、副会長さんが中村是好さん。佐七さんは是好さんの盆栽師匠さんなんですって。
亡くなったお二人にゆかりのものが今もT屋さん宅の棚で師弟関係を続けているようで笑。
もうすでにbonさんや小春さんが記事にしていますが、先の日曜日、新人を誘いまして東京支部の教室で講師をしている日本小品盆栽協会副会長のおなじみT屋さん宅へおしかけました。
この企画は私、以前から考えていたのですが、日本小品盆栽協会には会報というものがありまして、私は会員宅を訪問してその会員さんの盆栽ライフを紹介する記事を受け持ったわけですが、その記事の執筆のための取材に際し、せっかく今年は熱心な新人がたくさん入ったのですから、どうせならそういった会の仕事も新人のためになる楽しいものにしたいと、それがそのまま会のためになるのではないかと思い、T屋さんに無理をお願いして、取材を兼ねた新人向け特別課外授業が実現しました。
すると、まあまあ新人の皮をかぶった飢えた狼どもが7人も集まってきました。そうそう、そのうちプレ新人が2名ですね笑。
そして気が付けば女性ばっかし。そのうち男性は隅に追いやられることでしょう・・・
豆々しい鉢の数々。こんな小さな盆栽を、T屋さんは40年以上前からやっているんですって。
その理由としては、小さい鉢がわりと安かったというのと、すぐに楽しめるから、ですって笑。
実際にT屋さんの棚を拝見させていただき、とにかく楽しかったです。勉強になったり、何かを考えるキッカケになったり、そういったのを全部ひっくるめて楽しかったです。
興奮しっ放しでしたし、一体何度うなったことか。
環境はうらやましがっても始まりませんし、だからそういうのはいいのです。
こう、伝わってくる盆栽との接し方とでもいうのでしょうか・・・実験し続ける姿勢や、面白い発想の自作鉢からも感じる遊び心、
小さいながらも窮屈じゃない樹姿、
そして、実ものの鳥よけが木製の鳥カゴなのをご覧いただいてもわかるように、入れるもの間違えてる、じゃなかった、洒落たところ笑。
棚って、そういった盆栽との接し方が見えてくるだけでなく、人柄まで見えてくるものなのですね。
気を付けないと。
樹の管理や手入れについてもたくさん教わりましたが、私が期待していた、課外授業のもうひとつの目的が昔話。
それもいろいろ聞けましたね~
大助鉢の佐野大助さんとのエピソードなどでは、え~!と思うような話も。
そんなT屋さん、さっきも書きましたが、40年以上前から小さな盆栽を始めていたそうですが、その頃は日本小品でもそういう樹は飾らせてもらえなかったのですって。だから小さいのと大きめのを両方やって、中野の清香会なら小さいものでも飾れるということでそこで出品するうちに小さいものの方に人気が集まっていったのだとか・・・
そんな体験があるものだから、歴史ある会の中でも私達新人に寛容でいてくれるのでしょうか。
幸いまだ新人達の脳ミソには昔話を記憶するのに必要な容量が十分残っていますし、脳の容量がファミコン並の8ビットの私ももう少しだけ頑張れますので、機会があるごとにうかがっておきたいところです。
良い話も悪い話も。
一種の、この会に入会した特典とでも言っておきましょうか。
そんなこんなで、授業を6時間目まで受けてその後部活をがんばった学生のように帰る新人達なのでした。
皆、その目はギラギラと明日をにらみつけていたのです。
「盆栽のバカヤロー!!」
そして心中皆、今日一日でちょっとだけ盆栽が上手くなった、と思っているのでした。
また是非訪問したいですね。