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禁断の杜松素材

 昨日、第5日曜は日本小品盆栽協会の交換会でした。

 一番欲しかったT屋さんのモミジの株立ちは私の世界観にはそぐわない(高くなり過ぎってことね)ものだったので、いえいえ、最初からそうなる気がしていましたので、一点張りにはせず、その前の段階で、第2希望、第3希望のものに手を出しておきました。

 それで正解のようでしたね。

 モミジひとつに2万も3万もかけられる身分ではありませんから。

 ええ、ええ、自分で作りますよ。

 T屋さんだって作れるのに、私に作れないはずはありません。

 ・・・。

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 このティリメンキャドゥーラはオマケ的な感じで買っておきました。

 うちにもいろいろありはしますが、葉が小さくなる性ではあるみたいですし、数種類を比べながら試してみたい年頃でもありますので。

 三鷹支部の長老先輩にお墨付きもいただきましたので、じっくり作っていこうかと思います。

 あとはもうひとつだけ、杜松を。

 上野を震撼させた問題の杜松だということは間違いないでしょう。

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 (ちょっと年内に少しでも肥料をあげておきたかったので、乗せてしまった後の写真になってしまっていますがご勘弁を) 

 誰も欲しがらず、私のひと声で金額が決まってしまいました。

 好みが人と違うところがあるのは昔から。

 もう慣れました。

 ふぅ・・・。

 特別に逆からも見せてあげるね!

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 こんな真っ直ぐで、葉性も良くなく、枝が片側に寄っている杜松なんて、普通は欲しがりませんよね。

 私の魂は、一生アングラの世界をさまようのでしょうか?

 でもですね、私にとってはなかなか楽しそうな素材なんですよ。

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 真っ直ぐではありますが、わずかに揺すられているところがニクイですし、肌がまた枯れてて味がありますでしょ。

 そこがチャームポイントですね笑。

 この樹をどうしたいのかといいますと、確か以前bonさんもブログで自然の中のそんな木の写真を載せていましたが、片側からばっかり風に吹かれて、まばらな枝が片一方にしか伸びていない、可哀そうな感じの吹き流され過ぎ樹形を作りたいのです。

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 そのための素材としては申し分ないでございましょう。

 枝は片側だけにあれば良いのですし、古さもある。

 あら?必要なものはすべてそろっているじゃあありませんか。

 鉢はどんなものを探しましょうか。

 楕円じゃピリッとしないので、極薄い長方・・・かな?

 それで少しだけ倒してみたりして・・・あぁ、うっとり。

 さあさあ、何から何まで吹き流されておしまい!

 (そうして私の悲しい記憶も、一緒に吹き流しておくれ)   

   


まこと先輩が秋風のような先輩風を吹かす

 東京支部の後輩諸君へ

 もうあと少しで冬を迎え、東京支部に入ってから四季を一巡したことになりますね。

 入会してすぐの頃の私は、例会あとに教室の内容を振り返ってもう一度確認する中で気が付いた、わからないこと、知りたいことをメモっておき、自分で調べてみたり、先輩や講師に質問するタイミングを探っていたりしてましたっけ。
 とにかく自分が何をわかっていなくて、そのタイミングで何を知りたいのか、それを整理するので精一杯でした。
 自分の興味が向くところから、いろいろ試しながら、私の8ビットの脳ミソが耐えられる範囲で理解を深めようとして来ました。
 だから私、最初の頃は松柏類のことなんて、こんな作業があるのね、くらいにしか入り込みませんでしたし。

 最近、今年入会した方達からあれがわからない、これがわからない、という言葉をよく聞く気がします。
 毎月の例会では季節ごとの管理・作業のポイントなどをとりあげつつ進んできたわけですが、入門して間もない方にとっては、それでもまだまだわか
らないことだらけかと思います。
 それが当然ですから。
 そう言っている入会2年目の名人だって、わからないこと、知らないことだらけですし。
 A藤さんは、とりあえず10年やってごらんと言ってましたっけ。

 自分が何をわかっていないのかをわかるようになった、それも立派な成長だと思って、私も楽しんでいます。 

 背伸びする必要もありませんから、好きな樹種、興味の湧いた樹種があれば、それを中心にしたり、何かその年の管理のテーマをいくつか持つなりして、じっくりと向き合っていきましょうよ。

 私の入会1年目の大きな収穫のひとつは、もしかしたら、自分が楽しみたい「樹のサイズ」がどれくらいなのかが絞れてきた、ということな気がします。
 皆さんのうち、もしも既に自分がやっていこうとする樹のサイズが絞れているとなると、私という才能溢れる先輩を追い抜いていく可能性があります
ので、私からちょっと意地悪を受ける可能性があると覚悟していてください笑。

 どんな素材を入手すべきかわからないと悩んでいる方もいるみたいですが、これもあまり深く考えずに、わからなかったら自分がなんとなく好きだと思うものを選ぶ、それで良いのではないでしょうか。
 ただ、そのあとに講師や先輩に意見を聞くのはとても参考になります。
 何度も見てもらううちにベテランさんはどこを見て樹を選ぶのかがぼんやりわかって来るところがあったりします。
 先輩の買い物に一緒にひっついてまわることで感じたりするところでもありますが、盆栽の一般的な価値観・美意識や、それぞれの独特な好みから、
皆さん樹を選ぶポイントを持っています。
 私なんか、時には教室で講師から素材選びの悪さを言われたりしてきましたが、それだって、どこがどう出来の悪い素材かを知る勉強ですし。
 そんな時、不正解をひいちゃった、みたいに考えるのはやめましょう。
 樹だって夜中に棚でしくしくと泣いてしまいます笑。

 そんなのを繰り返して、だんだんと、未来の姿をイメージしながら素材を選べるようになっていくのでしょうね。
 だから手に入れた素材はどんどん例会に持って来て、講師やベテランさんの意見を聞いてみましょう。
 せっかく盆栽会に入って、そこで遠慮してしまうのはとてももったいないことです。

 また、例会の基礎コーナーで取り上げてほしいテーマがありましたら、是非お知らせください。
 基礎コーナーは、初心者のための時間です。
 せっかく会費を払っているわけですから、遠慮なくお願いします。

 これから冬になれば、管理の手間も少なくなります。
 空いた時間を利用して、来年の目標をぼんやり考えてみるというのもひとつの楽しみであり、勉強かも知れませんね。

 お互いに楽しく遊びましょう。


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