クコ発見
数年前、ヤマコウバシに憧れていた時期がありました。
大きな盆栽の展示会場で素敵な寄せ植えを見たからです。
冬になっても枯れた葉を枝に残す姿にはジンジンきますね。
(うちのヤマコウバシは早々と全ての葉を落としましたけど笑)
しかしなかなか町なかではヤマコウバシなど見掛けない、そんな風に考えていたのですが、なんてことはない、意識し始めたら、時々通る住宅街に3箇所も見付けました。
見慣れていたはずの風景が、樹の特徴を覚え、自分の意識が変わることで、自分の外の世界にも変化が起こって、今まで見えなかったものが見えてくる。
そんな風に感じました。
物質的には世界って、しっかり固定されたものがあるわけですが、結局それを見たり感じたりするのは人間のアテにならないところなわけで、同じものが昨日と今日で違く見えても何らおかしなことではないようですね。
ヤマコウバシが植わっていたという3カ所のうちの1つは隣にロウバイが植わっていて、今満開。
どちらも私の好きな樹でそこに行くとたいそう気分が良いのですが、どちらも私の好きなサイズの盆栽にするのは難しい樹。
憎いネ。
そしてまた新しい発見です。
ヤマコウバシとロウバイが植わっているその場所から数秒歩くとフェンスで囲われたグラウンドがありまして、先日そこを用事で歩いていたのです。
そうしたら、フェンス際に生えた丈30センチほどの植物の葉に目が止まりました。
葉を見て、葉の出方を見て、節の感じを見て・・・クコ?
同じ樹が2株生えていて、そのうちの1株に赤い実がついているのを見付けました。
まわりの地面を見てみると、何個か同じ実が落ちていましたよ。
早速実のついたところをひと枝いただいてきました。
うんうん、このだらしない節の枝はクコに間違いありません。
本当に、だらしない節しやがって。
ま、そこも可愛いんだけど。
クコにもやはり、実付きの良いものと悪いものがあるそうで、そう言われれば、この樹は小さいながらもいくつか実をつけていたのに対し、しばらく前に別の場所で見付けた町なかのクコは、この倍以上の大きさでしたが全く花も実も付けていませんでした。
ちょこっとだけ期待して、挿してみておきました。
もしかしたらずっと先に、この挿し穂から作ったクコを名品展で飾っているかも知れませんよ。
さてさて、明日は上野の名品展に行っていきます。