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読書の秋

 先日、とある業者さんと盆栽書籍・雑誌の話をしていた際、技術だけでなく、飾り、歴史、等々、その道に詳しいベテランさんにそれを書籍として形に残してもらえたらなぁ、なんていう話に膨らんでいきました。

 特に小品の歴史になると、ほとんど何もまとめられていないというのが現実かも?

 私は幸いなことに、身近なベテランさんから小品を含め盆栽の歴史やエピソードを伺えたり、azeさんから日本小品盆栽協会の会報を初巻からいただいていたりで、昭和40年代終わり頃からの小品盆栽界の雰囲気をなんとなく感じれたり、只今借り溜め真っ最中の昔の盆栽雑誌「自然と盆栽」から、やはりその時代の盆栽の動向、雰囲気を知ることができたりで、少しずつではありますが、いろいろなピースをつなぎ合わせながら、盆栽界の流れというものを探っている状態です。

 過去を知って何になるのかと問われると困ってしまいますが、わかったことがひとつ。

 結局今も昔も小さ過ぎるとか、大型化しているとか、同じことを言ったりしてるんだなぁ、と。

 内容の濃さは、例えば「自然と盆栽」誌ではいろいろな文化人や学者さんが記事を書いていたりするように、完全に昔の方が濃いのですが、今は、これは出版に限らない話かと思いますが、人もお金もかけられないし、また読み手がそこまで望んでいるかどうかというのもありますので、なかなか良いものを作るというのも難しいそうで。

 そんな話の中、その業者さんがお店の隅からゴソゴソと、なんだか古い冊子を引っ張り出して見せてくれました。

 表紙には、「盆栽」と。

 ほほう!

 その名前と、「自然と盆栽」が出る前まで出版されていた、かなり古い盆栽雑誌で、その出版をしていたのが有名な盆栽人の小林憲雄だということだけは知っていましたが、まさか実物を見れるとは思っていませんでした。

 そして嬉しいひとこと。

 「これ、あ~げる!」 

 ・・・お店に残っていた、昭和37年出版の10冊を全て譲っていただいちゃいました。

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 やっぱり盆栽の神様って、いるんですね。

 いるのは天使だけじゃないんです。

 ちなみに、この表紙は毎月黒+もう1色の2色刷りになっているのですが、たとえば、12月号の表紙はクコの樹で、白黒写真の実の部分だけ赤く塗ってあるのです。

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 大昔の芸者さんの写真とかみたいに、白黒写真に後から色を塗っている感じですね。

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 そしてそれに合わせて表紙の枠の色も赤。

 11月号はカキの実に合わせた2色刷り。

 枠の色内には、いろいろな樹形のイラストが。

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 おいおい、河合蔦蔵~!

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 (「午後早く」って、曖昧過ぎやしませんか?) 

 この人が作った鉢作りのサークル?に東福寺や愛草がいたわけですね。

 自動車事故には気をつけて!

 内容もなかなか面白く、当時の盆栽趣味の雰囲気が伝わってきました。

 号数から計算すると、この雑誌は大正の終わりか昭和の頭くらいから続いていた雑誌のようですね。

 秋の夜長、じっくり読み進めていきましょう。                        


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