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第35回東京支部展 小品盆栽フェスティバルを振り返って

 東京支部展が終わり一夜明け、本当は気にしなくてはならないこともあったのですが、ちょっとそれは置いておいて、お昼までゆっくりと休みました。

 もっともそのあと、友達からのお願いで、学生さんが映画をとっていて、人が足りないというので頼まれていた刑事さん役になってきましたよ。

 逮捕しちゃうぞ。

 いえいえ、声だけの出演ですけど。

 それにしてもいい歳した大人がこんなことばかりやって遊んでいて良いのでしょうか。

 

 さてさて、今日は支部展で心にしみた飾りを、サンバのリズムで紹介させていただきましょう。

 この席は、昔の会報でT屋さんが「東京支部の貴公子」と呼んでいた笑、K谷さんの飾りです。

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 左から、草、モミジ、津山桧、添配、カエデ、とあります。

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 K谷さんのモミジはどれも、本当、優しい感じに出来ています。鉢も珍しいものを使っていますが、それは置いておいても、同系色の微妙な濃淡で、今の時期の葉の色をとても優しく見せているように感じました。

 去年の紅葉の時期の別の展示会では、確か赤絵の鉢と赤く色付いたモミジの葉をうまいこと見せていましたね。

 この辺の色使いはとても参考にさせてもらっています。

 実際やろうとすると案外難しいのです。

 一番右のカエデ。

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 これこれ、こんな樹が私、欲しいのです。作りたいのです。

 どこにも売っていませんし、知り合いに聞いたら、あったとしてもかなりするんだとか。

 K谷さんに伺ったところでは、この樹の最初はただのちっちゃい素材で、それを小さな鉢におさめて持ち込んだのですって。

 鉢をゆるくしてちゃダメみたい。

 小さい鉢で管理して、あとはあまり手をかけずに我慢。

 手をいれるのは2,3年に一度とか、そんなものなんだそうです。

 幹枝に傷ひとつないこの樹・・・何なのでしょう、この魅力。 

 おそらくみんながみんな気に入る樹ではないと思いますが、私にはとても響くのです。

 私も是非作ってみたい類の樹です。

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 津山桧にはうっすらと、控えめな曲が・・・そしてその横に添配。

 これは見たところ、鯰(なまず)が縛られている姿のようで、「封震鯰」とありました。

 ネットで調べてみてもわかりませんでしたが、きっと地震が来ないように、という願いを託したものなのではないかと・・・?

 それを考えると、この席の樹の姿が全て、優しさや、株立ちの安定感で出来ているというのがしっくりきます。

 やさしい樹姿、安定感のある樹姿の景色の中に地震が来ないようにという祈りを込めた飾り。

 私は勝手にそう感じて楽しませていただきました。

 盆栽飾りに祈りを込める。。。

 ううん、盆栽詩情主義。

 展示会場でも上手い方の隣になると自分が引き立て役になってしまいそうでちょっと嫌。

 しかしながら続きましては、せっかくですので、自分の飾りを載せさせていただきます。

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 いやいや、自分のブログで自分の展示を紹介する日が来るとは・・・もう、「いつか盆栽」じゃなくて「やっとこさ盆栽」に、出世魚みたいに出世ブログしましょうか。

 右から、箱根つたうるし。

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 香丁木、水石。

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 杜松宝、屋久島ススキ。

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 残暑厳しい中で、無謀にも秋の訪れを先取りしてみました。

 私の孤独な魂の叫びが届いたでしょうか笑?

 皆さんから杜松宝の雰囲気を褒めていただけたのは私にとって意外でした。

 昔、T屋講師が名品展で使っているのを見てその雰囲気を気に入り、私も始めてみたのですが、展示会でもそれほど見掛けないマイナーな樹種。

 でも、当時松柏にあまり興味のなかった私がせっかく気になった松柏ですから、講師から教えていただきながら自分なりに試行錯誤してきました。

 でもね、講師に言われた通りに仕立てることはできませんでしたよ。 

 上に上に力をつけるこの樹を芽摘みで力を調節するわけですが(ハサミはほとんど使っていません)、私の注意不足で主の幹となる芯と、同じくらいに枝が一本太くなってしまいました。

 講師からも、

 「ここは惜しかったネ」

 と教室で言われました。

 でも、今になってみると、自然の赤松にも見られる途中双幹みたいで、自分の下手さで崩れたところが、ある意味この樹の個性になっているかな?と、チャームポイントのように感じています。

 これは人間のダメなところをどんどん矯正させて、デコボコのないつまらない人間を作り上げようとする現代社会に対するアンチテーゼであります。この樹が叫ぶのは、人間性の解放なのです!

 ん?

 各枝にはずみをつけて、などといろいろこの樹を使って樹を美しく見せるコツを教わりましたが、自分でどこまで出来たのかはわかっていません。

 でも、搬入日の会場で、この樹がもっともっと細い挿し木苗だった時に(今年の売り場でも業者さんが沢山持って来てましたね)売っていただいた大野さんが、

 「やっぱりこの樹と石の置き場が効いてるね~」

 と、また褒めてくれましたので、初展示ということで小動物のようにプルプルと震える私の励みになりました。

 会場では会期中、ハマさん、ネギさん、芳幸さん、妹のほうさん、春嘉さん、小春さん、otamaさん、ご挨拶はしていませんが、bonさんのお友達のtomoさんにも私がしっかり伝言係を務めましたし笑、会場でお会い出来なかったものの、最終日展示会終了後に偶然一木一草話でお会いできたホウジュさんなど、たくさんのブロギストやブロガーさん、このブログを見ていただいている方、コメントをいただいている方、そして母茂子ともお会いできました笑。

 皆さん、楽しい時間をありがとうございました。

 ブロガーさんの中には支部展の様子を載せてくださっている方もいらっしゃり、感謝です。

 あちらこちらで支部展の様子がアップされているのを見て、なんとも感慨深いものがありました。

 春嘉さんが言っていた、皆で出展を目指すというこの「ドラマ」の結末・・・

 展示出来た人、出来なかった人、私を含めた新人たちの胸に、この1年、それぞれの思いがあったようです。

 私の胸にもこの1年のこと、今回の初展示のことは深く刻まれました。

 近い未来、私も盆栽名人の名を欲しいままにすることになりますが、そうなっても今の気持ちを忘れないようにします。

 そのためにタトゥーでも入れますか笑。

 そしてこのドラマはまた来年へと続きます。

 今年の経験を活かして、さらに面白味のある展示ができたらいいなぁ。

 本当にありがとうございました。


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