割れた誠鉢と、それと、ご無沙汰していた友達との再会
今月の東京支部展で、以前焼成依頼した焼き締めを一蒼さんから受け取りました。
小さな焼き締めはあまり売ってないし、手作りだとボチボチしますし、だからこんなのを使ってみたいというのを自分で作れればいいのですけれど、やはり1250度、地獄の還元炎で窒息寸前の焼き上がりのせいでしょうか、どれもカチンカチンです笑。
そして1個だけ、写真右端の鉢が、私の梱包が悪かったのか、ゆうパックさんが急ぐあまり転んでしまったのか、一蒼さんの元へ届く前に割れてしまったようです。
ま、私は小さな盆栽を楽しむ者ですが、心は大きいので気にしません。
形あるもの、いつかは壊れるのです、うんうん。
しかしせっかくですので割れた手びねりをじっくり見てみることにしました。
素晴らしいじゃないですか。縁の部分と足の部分がわずかに厚くなっていて、それ以外は均等な厚さ・・・イメージ通りであります。
指の感覚だけでここまで均等な厚さにできればもう、手びねり名人ですね。
さあ、恥ずかしがらずに私をこう呼んでごらん。
「手びねり名人のまこっちゃん!」
え?私を呼んだかい?
今回、焼き上がりがどんなになるか不明の、自然主義のT田さんからいただいた粘土も2種類まぜておきました。
テストピースの円錐を作るのも、手びねりを作ってしまうのも変わらないので、どうせならと、小さな手びねりにしておきました。
目の細かいのと荒いのがありまして、細かい方はこんな感じ。
白地に黒のポチポチが浮かんでいます。
私の魂は、この土に五葉松を植えてみたいと叫び出しました。
また、こんなのにそのまま赤やら青やら黄やら、鮮やかな絵がワンポイントついてたら洒落てそう。
私の魂はそうも感じました。
私の荒ぶる魂よ、鎮まれ。
もう1種類の荒い土の方はといいますと、こんな感じ。
こんがりクリームパンの色。
そして、この鉢を見ていると、誰かに呼ばれているような感覚が。
「まこと君・・・」
「私を忘れてはいないかい?」
「鉢郎だよ・・・顔の雰囲気は変わったけどね」
「あれからいろいろあったみたいじゃないか」
「・・・ちょっとだけ寂しかったよ」
「今度、例会に遊びに行ってもいいかな?」
「こんな僕だけど・・・」
最近の開花
9月に入ってから、うちの貧しい棚でもいくつか花を咲かすものが現れました。
うちで初めて咲かせた花もいくつか。
こちらは白花のツクバネウツギ。
この樹は町なかの樹を見る限り、とてもよく花を付けそうですね。
挿し床のものでさえポンポンと花を咲かせます。
あと、この樹。
町採りしたものですが、私はてっきりタンキリマメかと思っていました。
でも、先日の東京支部展の売店で花を見たら、花は黄色。
では、枝豆みたいな葉っぱのこの樹は一体何なのでしょう?
花はなかなか控えめで、可愛らしいのですけど。
写真にとってはいませんが、立ち上がりには自然についた町採りならではの曲があり、都会の厳しさを感じさせる風情であります。
やっぱり盆栽は町採りに限るネ。
あと、まだツボミですが、姫クマヤナギも初の開花、間近です。
ただ、残念なことにこれはまだ挿し木したばかり。
親木は今年の水切れ第1号で、去年力を入れて作ってきたのですが、あっさりと枯らしてしまいました。
その前に挿し木しておいたのが今数株生き残っています。
それらがツボミをつけているということは、元々花芽のついた枝だったということでしょうか?
この姫クマヤナギという樹、私は去年から初挑戦だったのですが、枝を作るのが妙に楽しかった記憶があります。
面白いくらいに枝分かれしてくれて。
実をつけるとなると大変そうですが、これからじっくりと取り組んでみたい樹です。
そしてくれぐれも、来年のまことよ、梅雨明け間際、この樹の水切れには注意したまえ。