盆栽バー ‘bar盆’
支部展がらみで右往左往して、終わったら終わったで諸々忙しく、記事を書けていなかったことがあります。
それは私がまたいつものように、好きな女性にフラれて打ちひしがれ、行きつけのバーのマスターと、
「お客さん、そんなに飲んだら体に毒ですよ」
「いいんだ、今夜はとことん呑ませてくれよ」
なんていうやりとりをしている時でした。
そのバー、‘bar盆’に私の盆フレの気ままさんがつかつかと入ってきて、私のひどい様を見るなりあきれてため息ひとつ。
そして私が酔い潰れるカウンターの上に何かが入った袋を乱雑に置いたのでした。
すっかり酔いがまわった私にはそれが何なのか視線を動かすだけの気力もなく、ただの肉の塊のようにカウンターへ覆いかぶさって一点を見つめていることしかできませんでした。
そんな私を改めてひと呼吸見つめると気ままさんは、酔って力の抜けた私の頭を、髪の毛ごとつかんで無理やり起こすと、私の耳元でささやいたのでした。
「たまに酔うのも悪かぁねえし。けど、枯らすなよ」
そのまま眠ってしまった私が再び目を覚ました時、最初に目に入ったのは、カウンターに置かれた袋の隙間から見えた植物。
「冬苺?」
そう、それは私が以前から探していた冬苺の苗でした。
私は反射的に土が乾いていないか心配になり、ガバッと立ち上がるや否や、薄暗い店内で袋の中に顔を突っ込むかのようにして表土を確認したのです。
見ると何故だか水をあげたばかり。
「水やりなら心配ないですよ、お客さん」
「マ、マスター・・・」
マスターはそう言うとグラスに水を注ぎ、私に差し出しました。
「お客さんもお水、どうですか?」
外はもう夜が明けかけていました。
店を出て家路につく私の手にはしっかりと冬苺の入った袋がぶら下がっていて。
「それにしても、いい女だったのになぁ・・・」
こりもせず、そう呟いてみる私なのでした。
あれ?気が付いたらいつの間にか、小説仕立てになっていました笑。
だんだん現実と空想がごっちゃになって来ているようです・・・
私の未来は非常に危うい。
それはそうと気ままさん、幻の冬苺、わざわざありがとうございます~
しっかり育てて、できたら増やして、大いに楽しませていただきます。
米栂も、無事東京の夏を乗り切ってくれました。
お返しに、こちら。
でもごめんね。
成形時、締めるのが甘かったらしくて、焼き上がりにヒビが入ってしまいました。
そもそもこんなに主張の強い遊び鉢は間違いなく使えないので笑、今度は出来の良いのを送ります・・・
つまりは記念品とでも思って下さいね。
そのうちに送ります~