追いかけずとも、樹の方から寄ってくる
びっくりしました。
世の中には現代の科学をもってしても解明できない謎が多くあるものです。
先日、選挙の事とか新聞の事とか、いきなり訪ねて来て話し出す関係の方に、ちらりと、
「あっちに盆栽屋さんが出来ましたね」
といわれたのです。
うちの方は、かなり個性的な町ですので、変わったお店もけっこういろいろありますし、骨董、古道具、和服リサイクル、雛道具など、レトロなお店がいろいろある中に、たまにはいわゆるモダン系?和テイスト系?土の匂いがしない系?の盆栽屋さんなんかもあったりするのです。
今回もその類かなと、期待せずに探しもしませんでした。
それで、今日たまたまいつもと違う道を通って帰ったら、うちから歩いて1分もかからないところに、大きくはありませんが、普通の盆栽を扱う新しい盆栽園が出来ていました。
ガーン!
近過ぎて逆にキモチ悪い・・・
その時は人がいなかったので中は詳しく見れていませんが、今度ちょっとのぞいてみようかと思います。
交換会後の興奮気味の私
今日は上野で日本小品盆栽協会、本部の交換会へ行ってきました。
会場では芳幸さんともお会い出来、お土産の五葉松までいただいちゃいました。
芳幸さん、ありがとうございます。
うちに来たからには、未来の名品です。
今回もつくづく思いましたが、もっと目を肥やして、これというものに集中しないとツワモノ達にはかないませんね。
青閑の豆鉢・・・ちょっと持ってみたかったなぁ。
家に帰ってみると、改めて疲れでヘロヘロになっていることに気が付きました。
かと言って少し休むにしても、訳のわからない高揚感でじっとしていられません。
なので、うちのヘッポコ杜松宝の古葉取りをボーっとやっていました。
こんな時は地味な作業に限ります。
しかしです、今日はそれでも落ち着けず、大変困りました。
その原因は、展示会が迫って来た、ということでしょう。
果たして自分に何かできるのだろうか。
恍惚と不安がいたずらに入り混じる私の魂に振り回されっぱなしです。
その役目を終え枯れた古葉をとっている、この杜松宝。
樹姿も、教わった通りにはいかず、愛想のない姿。
小さなポット苗から、私がイチから育てたので、当然古さなんて無し。
それでもね、展示をするのならこの樹を飾りたいな、という情が、以前からぼんやりあるのです。
他に樹がないだけなのですけどね。
この2年程、そうそう、日本小品盆栽協会に入った頃から、講師に相談しながらずっと取り組んできた樹ですし、
支部展が、この1年の成果を発表出来る機会なのだとしたら、やはりこの樹がふさわしいのではないのかと思ってしまうのです。
この樹が、誰と張り合うわけでもない、等身大の私ですから。
一応、メインの役者となる3点として石と屋久島ススキと杜松宝を考え、あとは他にいろいろ脇役を例会に持って行き、皆さんの意見を聞いて考えようと思っています。
情景としては、夜明け前、眼前に群生する枯れススキの、その上に昇る月を、無表情な一本杉(一本杜松宝)の下から眺めるまこと、の図。
そこでまことは何を考える?
ま、背景の色が完全に真昼間の快晴ですけど笑。
月はもう少し昇らせた方が?
昇り過ぎ?
夜明けを待てずに、ススキにはトンボが遊びます。
羽根は夜露に濡れてないかしら。
羽根の感覚を確かめるように動かします。
・・・・・・
良い樹があるなしにかかわらず、これが私の今の実力でしょう。
アドバイスを受けて、実際に展示が可能かどうか判断しましょう。
樹を育てるのも楽しいことですが、この数カ月で、飾るという楽しさを、よりリアリティーをもって知ることができました。
今年の展示が出来ようが、出来なかろうが、得たものは大きいと実感していることには変わりがありません。