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杉並の巨大黒松の正体とは!?

 今日は午前中だけお仕事だったのですが、せっかくなので、いつもその通りがてら気になっていた松の大木を、改めて見に行きました。

 その松、樹冠がとてもきれいで、見る度に良い気分になるのです。

 通りを進むと民家の屋根の上に、こんな風に見えて来るのです。

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 ね、きれいですよね。

 おそらくこちらは東側になるのかと思います。

 ちょっと左、つまり南に移動してみると、

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 こんな風に見えてきます。

 確か、以前読んだ「自然と盆栽」誌で、

 松類は、根から地上部に送られる栄養などの供給限界が来た時に幹の伸びが止まり始め、その止まり始めた頃から幹の頂上付近に「ユスリ」と呼ばれる微妙な曲が出来、それが次第に樹冠状態となり、横の動きで終わる、

 というような説明がありました。

 古い樹の樹冠は「なだらか」だというのはそういうことかと、ひとりでうなずいたものです。

 この樹があるのは住宅地の中の小さな神社。

 それも、駅や大通りからは離れた所で、近くには川沿いの緑地も続き、日差しを遮るものはほとんどありません。

 だからこれだけゆったりと樹冠を広げられるのですね。

 今日は始めてその神社の中まで探検してみることにしました。

 神社の詳しい説明は、教育委員会さんに任せましょう。

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 ということです。

 なんと、樹齢は400年以上ですか。

 神社のご神木だからそれだけの間、切り倒されずに、十分根を伸ばせる場所を確保できたのでしょうね。

 すぐ近くはボチボチ高級な住宅街だし。

 つい最近も、大きくてそれなりに古い赤松が、まとめて何本も切り倒されたのですよ、この近くで。

 あたしゃ、怒りと脱力感を覚えたね。

 10年近くもその赤松を見て来たのにさ、なんだい。

 と、ぶつくさ言ってないで本題に戻しましょう。

 そうそう、この辺りにはノッポの赤松はたまにあるのですが、大きな黒松というのはまずないのです。

 細い参道を通り、心してその黒松に近付いて行きました。

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 遠景からはわかりにくかったのですが、この黒松は斜幹でした。

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 案内によると、樹高は約32メートル、根元幹周囲5.5メートル、目通り3.27メートルとのことです。

 写真の感じよりもずっと実物は太く大きく感じます。

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 引き根がしっかり発達しています。

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 自分の体を支えるべく、樹も必死のようです。

 東京支部の例会で、講師に教わりましたよ。

 こういった重心の傾いた樹を植え付ける際には、引き根をしっかり出しなさい、と。

 何か言われたら、それが力学的にもバランス的にも正しいんだと言ってあげなさいって笑。

 またちょっと話がそれますが、昔テレビでひまわりを使って植物の実験をやってるのをみました。

 ひまわりが沢山植わっているもののひとつを、透明の筒の中に入れて、風の影響を受けないようにして育てたのです。

 するとそのひまわりだけ細~く育ってしまうのですね。

 木は風などの力を受けながら、それでも自分を支えるべくして幹をしっかりさせていくのだそうですよ。

 それを考えると、株元がしっかりしていない樹とかは、毎日鉢を横に振り続ければ、しっかりした立ち上がりになるのかなあ笑?

 とにかく笑、32メートルの傾いた幹を支えるべく、この樹が傾きとは逆側の根やその付近の幹を発達させていることは、見ていて良くわかりました。

 次に植え替える際にはもう少し根を地上に出してもいいかな笑。

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 手タレを使えず失礼。 

 幹のウロコ状の割れ、ひとつが私の手の大きさですね。

 これ1枚ひっぺがしたら、即、神主さんからタコ殴りにされます。

 これでもか!これでもか!っていうくらいにタコ殴りです。

 私が、

 「ひぃ~!」と悲鳴をあげても許してはくれないでしょう。

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 あ、これ、東京支部で言う、良い苔?

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 ちゃんと次の代の黒松も育ってますね。

 まわりを見たところ、2本だけでしたが。

 親木に万が一のことがあれば、その2本のうちのどちらかが、はてまた兄弟木として二本共?この場所を引き継ぐわけですね。

 しかし、ちゃっかりものが、黒松の根張りの窪みにいましたよ。

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 イヌシデでした。

 このあたりにはイヌシデを多く見掛けます。

 最後に昭和11年に作られた狛犬を鑑賞して、ちょっと格好つけることにしました。

 腕を組み、そのまま時に右手の親指と人差し指を口元に当て、適度に軽くうなづきながら鑑賞すれば、更に格好がつきます。

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 左側の狛犬は、どうやらマリで遊んでいるようです。

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 がんばれ、日本!

 で、右側の狛犬は、

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 小さな生き物をいじめています。

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 喧嘩はよせ!と、助けに入りそうになりました。

 踏みつけられている屈辱感が良く出ていますね。

 そこが鑑賞のツボです。

 ・・・自分の教養の無さを心底うらめしく思いましたとさ。

 それでも、ちょっと楽しい午後でした。


タグ:黒松

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